さいたま市は12月補正予算案で、入札不調に終わっていた「武蔵浦和駅周辺地区義務教育学校整備」に関する費用を再編成する。当初は2024〜27年度の4カ年継続費だったものを29年度までの6カ年継続費に再設定し、工事費も約50億円を増額して総額271億4379万8000円とする格好。予算が可決されれば入札条件の調整などを経て発注し、来年度後半にも工事契約へ至るイメージを持つ。
同校の整備は過去に2回連続で不調となった経緯があり対応方針を練り直していた。12月補正予算案で費用を組み直して再公告を狙う。
入札不調への主な対応措置は工事費増額および工期延長。実工期は人手不足など近年の業界情勢を踏まえると、前回入札時の約31カ月から「36カ月」を上限に調整する方向が適切とみた。
入札についても参加条件を緩和する方向で検討している。前回入札時は公告期間を44日間としていたが、事業者側がより積算などの業務に時間を充てられるよう、おおよそ110日間程度に延長する見通しだ。
同工事は費用規模からWTO案件に当たる。入札参加は特定企業体(JV)も想定しており、構成員数を前回の「3社」から「2社以上」に緩める方向で検討する。
また入札に当たっては▽入札参加者から受け付けた見積を予定価格作成に活用する「見積活用方式」▽入札段階で事業者から技術提案を募る「入札時VE方式」▽市側が入札時積算数量書を提示し、参加者がその数量を活用して入札に参加する「入札時積算数量書活用方式」――など様々な方針を模索中。
見積活用方式などは、仮に導入となれば市として初の事例となることもあり、慎重に方針を検討する運び。現段階で方針は確定しておらず、予算の可決を経て、こうした入札条件の調整を進める格好となる。
前回入札時は建築・電気・機械の3工種分離発注だった。今後詳細を詰めていくが、担当課としては前回と同様に工種分離発注を基本に考える予定としている。
現段階では、おおむね年度内までを入札の条件調整期間に充て、そこで方向性が固まれば再公告を行う流れを見込んでいる。公告期間を前回入札時から大幅に延長することもあり、実際に工事契約を締結するのは来年度後半となる可能性が高そうだ。担当課の理想としては、来年度末には着工に至りたい考え。
2度の不調があったこともあり、まずは工事契約を確実に締結することを先決とする考えで、現段階で開校時期に関しては明確な時期を示していない。ただし11月に開かれた子ども文教委員会では「工事に関しては、可能な限り29年度内の完成を目指したい」との答弁が行われている。
武蔵浦和駅周辺地区は人口過密地域で、学校規模に課題を抱えていることもあり、義務教育学校の整備計画が立ち上がった。施設の整備計画自体には手を加えず当初方針を維持する考え。工事場所が南区沼影2−7−35で、計画する施設規模はRC造一部S造5階建て、延べ床面積約3万5152uとなっている。
提供:埼玉建設新聞