伊東市長選で初当選を果たした杉本憲也市長は当選翌日の12月15日、「前進」をキーワードに今後の市政運営の方針を示した。自身が市民に選ばれた理由に、「前職の『田久保市政』による停滞から、現状からの前進と若い世代が引っ張ってほしいという思いを感じた」ことを挙げた。
新市長が掲げる主要施策のうち、インフラ整備についての明言は避けたが、選挙戦では新図書館の建設については計画の見直しを掲げてきた。現段階では、事業を所管する担当課への具体的な指示などはしておらず、今後市長がどのような決断を下すのか手腕が問われる。
市長の役割を「決断」と「責任を取る」ことと位置付け、市政の立て直しの初弾として「副市長と教育長の決定を急ぐ」ことを挙げた。また、自身の公約である住民税の減税や通学費・保育料の無償化検討を、次年度の予算に組み込んでいく考えを明かした。選挙戦を振り返り「それぞれの陣営に分かれたが、今は同じ市民であり敵対する必要は無い。他の候補者が挙げた政策のうち、良いもので実現が可能であれば取り入れていきたい」と他の陣営との歩み寄りも見せた。
新図書館整備方針で明言せず
懸案となっている新図書館整備事業について、今後の整備方針への明言を避けた。選挙戦では「市民の賛同が得られていない」とした上で、計画全体を見直す意向を示していたものの、「既存施設の改修」「校舎への活用」「新たな施設の建設」など、どのような形で着地するのか、新市長の市政運営が注目される。
1980年11月に供用開始した現在の市立図書館(音無町5ノ14)が老朽化していることに伴い、市が購入した「伊東マンダリン岡本ホテル」の跡地(桜木町2ノ9ノ5)への新図書館の建設を計画。本年度に建設工事の入札を公告(6月5日開札)していたものの、田久保真紀前市長が就任翌日の5月30日に新図書館建設の入札の中止を表明。その後、本年度中に代替案を公表する意向を示し、8月15日には田久保前市長が現地を視察したものの、白紙の状態が続いていた。
11月14日には内定していた国庫補助金の交付申請を見送り、当初の整備計画のもとでの工事発注を見合わせることも決定。実質的に、2026年度以降の新図書館の建設計画も暗礁に乗り上げている。
その他にも宇佐美保育園の移転場所など、事業の方向性が定まっていない案件を抱えている中で、杉本市長がフレーズとして掲げる「前進」が文字通りに実現されるのかが問われる。
(提供:褐囃ハ新聞社)