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建設経済新聞社
2025/12/18

【京都】木津川市の同志社大の学研キャンパスを取得 次世代バイオ工場・研究所建設へ

 木津川市の同志社大学の学研都市キャンパスが腸内代謝物科学・次世代バイオ産業の拠点に生まれ変わる。
 日東薬品工業グループのNoster梶i向日市上植野町南開35−3)が、腸内代謝物科学を基盤とした次世代バイオ工場を整備、魚由来のEPA/DHAに続く第三の健康脂質と呼ばれるHYA(植物油のリノール酸を腸内細菌が変換してできる代謝物)を製造、安定供給する。腸内代謝物科学の研究所も併設する。2027年(令和9年)秋の稼働を目指す。
 12月17日に京都市上京区の京都府庁で、新たな研究開発・製造拠点の立地決定に伴う共同記者会見が行われ、日東薬品工業ホールディングスグループの北尾浩平代表(Noster椛纒\取締役CEO)、同志社大学の小原克博学長、京都府の西脇隆俊知事が出席した。
 小原学長は「この土地は2006年(平成18年)に取得し、学研都市キャンパスを開設した。その後、2013年(平成25年)のキャンパス再編で今出川・京田辺での教学体制が完成し、学研都市キャンパスの主たる利用機能がなくなることになり、売却を検討。日東薬品工業に売却することになった」、北尾代表は「次世代バイオ工場は、主要工程の自動化と代謝状態をリアルタイムに把握する新技術の導入によって、高品質な代謝物を安定して生産できる未来型プラント。この工場からHYAを世界に供給する体制を整える」「もう一つの柱が腸内代謝物科学の新しい研究所。腸内細菌の機能解析、代謝物の作用機序(メカニズム)の解明、微生物合成技術の高度化、メタゲノム解析/メタボローム解析、HYAに続く新しい機能性代謝物の探索を実施する」「今回の連携は研究だけではなく、同志社大学とともに、若い研究者が挑戦するための環境づくり、研究・産業・行政が交差する新たな教育モデルを生み出していく。未来のバイオ産業を担う若い才能をこの地から生み出したい」、西脇知事は「京都府が推進するフードテック基本構想にも賛同いただき、腸内細菌機能の解明に向けた更なる研究開発とHYAの事業化ということで、学研都市に新たな風を吹き込むことになる。Nosterの取組が学研都市全体の成長発展につながると大いに期待している」と述べた。
 対象の土地は、木津川市木津川台4丁目1−1、4、5の敷地面積5万0964・00u(「関西文化学術研究都市(京都府域)の建設に関する計画」における文化学術研究ゾーン)。主な建物は平成5年1月築の校舎(RC造スレート葺3階建、延8162・31u)。