2025年度国土交通省関係補正予算のうち、近畿地方整備局への配分額は3110億円となった。内訳は直轄分が758億円、補助分が978億円、交付金が1297億円、ゼロ国債(直轄)が77億円。11月21日に閣議決定された「『強い経済』を実現する総合経済対策」に基づき「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」などの三つの柱について経費が計上された。また、第1次国土強靱化実施中期計画に基づく複数年にわたる事業を計画的かつ円滑に進めるために補正予算からスタート・支出する国債として設定された「事業加速円滑化国債」の対象事業に、足羽川ダム建設事業(直轄:九頭竜川水系足羽川・福井県池田町)や大戸川ダム建設事業(直轄:淀川水系大戸川・大津市)、一般国道42号すさみ串本道路(直轄・和歌山県)などを盛り込んだ。
配分額を事業別に見ると、治水・砂防関係には687億4800万円を計上。主な直轄事業では、流域治水などの考え方に基づき、ハード・ソフト一体となった事前防災対策として河川改修事業(紀の川水系紀の川・和歌山県紀の川市、大和川水系大和川・奈良県安堵町他)に159億2000万円、砂防事業(紀伊山系・和歌山県那智勝浦町、木津川水系他・三重県名張市他)に15億2000万円、海岸事業(東播海岸・神戸市他)に1億3400万円を配分する。また、予防保全型インフラメンテナンスへの転換を図るため、早急に対策が必要とされる河川維持修繕事業・河川工作物関連応急対策事業(淀川水系淀川他・大阪市他)に25億0100万円、堰堤維持事業(淀川水系宇治川他・京都府宇治市他)に16億4200万円を配分する。
道路関係には804億6300万円を計上した。主な直轄事業では、一般国道2号大阪湾岸道路西伸部(神戸市、六甲アイランド北〜駒栄)の六甲アイランド地区橋梁下部工事の実施に7億4000万円、一般国道24号大和北道路(奈良県、八条地区他)の八条地区他改良工事や下三橋地区橋梁上下部工事に19億2600万円、一般国道24号大和御所道路(奈良県)の曽我地区橋梁下部工事、勝目地区舗装工事の実施に5億円、和歌山42号交通安全対策(御坊市丸山地区歩道整備)(和歌山県)の道路改良工事に1億円、一般国道8号野洲栗東バイパス(滋賀県)の大橋地区他改良工事、手原高架橋下部工事、野洲川橋他上部工事に67億円、一般国道42号すさみ串本道路(和歌山県)の田並東地区他改良工事や小河瀬谷川橋下部工事、江住川橋他上部工事、江住第1他トンネル工事、熊谷地区他舗装工事、串本町他道路設備工事に68億6700万円を盛り込んだ。
港湾関係には77億4800万円を配分。直轄事業としては、大阪港(大阪市)で、サプライチェーンの強靱化を図るため、国際コンテナ戦略港湾の機能強化に資する航路の整備に20億1900万円、神戸港(神戸市)の臨港道路整備に16億6500万円を計上した。
公園関係には4億3100万円を配分。直轄事業としては国営明石海峡公園(淡路地区)(兵庫県淡路市)で波浪により洗堀が進行している海岸ゾーンでの対策などに5000万円を計上した。
営繕関係には1億0900万円を配分。姫路港湾合同庁舎(兵庫県姫路市)の危険箇所解消などに1億0900万円を投じる。
この他、住宅都市関係に44億1100万円、上下水道関係に192億9100万円、社会資本総合整備事業関係(社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金)に1297億1400万円を配分した。
提供:建通新聞社