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滋賀産業新聞
2025/12/23

【滋賀】野洲市 JR野洲駅南口周辺市有地の活用

 野洲市は、未利用地や老朽化した公共施設が立地するJR野洲駅南口周辺市有地(約2・6f〔5ブロック〕)の活用について検討している。2025年度(令和7年度)はコンセプトや全体方針を定め、各ブロック毎の土地利用方針イメージと年次計画を設定。翌26年度(令和8年度)以降に基本計画の策定や、民間活力の導入可能性調査、事業者の公募・選定等へと進める予定だ。なお、エリア全体を一体的に活用する方針に見直すため、これまで大規模改修を計画していた市有地内の野洲文化ホールのあり方についても今後、代替施設としての民間資金によるプロスポーツやコンサート等の興行用アリーナ新築など、他の手法を検討していく。
 対象土地は、同市小篠原の野洲駅南口周辺市有地(約2万5800方b)。市道や軌道敷により5つの街区(A〜Eブロック)に分かれている。各街区の土地面積・状況は▽Aブロック(約5400平方b)=仮設ロータリー跡地▽Bブロック(約4200平方b)=暫定駐車場、学童保育所▽Cブロック(約2000平方b)=交番、公衆トイレ、駐輪場▽Dブロック(約1万0900平方b)=文化ホール、小劇場、幼稚園▽Eブロック(約3300平方b)=駐車場、自治会館、消防団詰所―。B、Eブロックの一部については、現状カギ型となっている市有地の整形化のため、隣接するJAレーク滋賀野洲支店敷地と土地交換の予定。
 にぎわいの創出を目的とする野洲駅南口周辺整備事業を巡っては、同整備構想の策定(2015年〔平成27年〕3月)後、10年以上が経過。現時点においても構想実現の目途は立っていないことから、社会経済情勢や市民ニーズの変化を踏まえ、市では25年度(令和7年度)から構想全体の見直しを進めている。駅前南口市有地には複数の老朽化した公共施設(文化ホール等)および利用されていない遊休地(Aブロック)等が配置されており、A〜Eブロック全体的に課題があるため、これまで前期・後期と分けて検討していた市有地の活用を、一体的かつ計画的に進めることとして構想の改訂を行う。
 全体活用方針は▽駅から南西に約300b、幅100bのエリアを設定▽A、Cブロックを「駅前にぎわいゾーン」と位置付け、にぎわいを生む仕掛けを検討▽B、D、Eブロックを「活性化ゾーン」と位置付け、全体エリア活性化に寄与する利活用を検討▽特にDブロック(約1f)を『人の流れを生み出す場』に設定―。
 駅前にぎわいゾーンは▽Aブロック(人と人とのつながりを生むパークモールエリア)=駅前のにぎわいを生むパークモールの整備を検討中▽Cブロック(野洲駅の利便性を高めるエリア)=野洲駅至近のブロックとして、既存の交番、駐輪場等も含めた機能更新および拡充を検討中―。にぎわいを生む仕掛けを検討するうえで、まちの主役である市民との対話により得た意見を取り入れ、望まれる姿を見据えて進めていく。社会実験を26年度(令和8年度)に2回、内容を変えて実施予定(芝生・飲食・イベント・スポーツ等)。実施後は、何が喜ばれるか、誰が利用するか、課題は何かなどを分析し、今後の計画に反映していく予定。
 活性化ゾーンは、新たな交流や活動を生むエリアとして▽Dブロック=新たな交流や活動の核(コア)としての活用を検討中▽B・Eブロック=Dブロックの機能補完(駐車場・宿泊機能・飲食・商業施設等)、行政サービスの拡充施設等の設置を想定し、今後検討の深度化を行う予定―。25年(令和7年)8月に実施したワークショップにおいて、駅前にぎわいゾーンの暫定利用方法だけでなく、駅前の活性化検討につながる意見も多くあった(思わず電車を降りたくなる駅前/他市にはないもの/学生・企業向けのスペース/防災拠点等)。これらの意見も、全体エリアの活性化に寄与する利活用の検討に取り入れる。
 現在のDブロック施設は▽野洲文化ホール(休館中)=老朽化する施設の改修設計を水原建築設計事務所(彦根市)で進めてきた▽野洲文化小劇場=文化ホールへの集約化により廃止解体の方針▽野洲幼稚園=定員割れ等の状況から、移転やこども園化を含めた検討を進めているところ―。文化ホールについては、改修設計により、トイレ(多目的含む)増設や小ホールの設備更新、大ホールのリニューアル(座席、音響等)、吊天井耐震改修など利便性や安全性の向上は図られるが、改修工事費の大幅な上昇(概算費用35〜40億円)、また、本来望むべき改修も技術的に困難と判明。駅前市有地の一体的な活用の中で、他手法の検討も必要とした。
 文化ホールのあり方(現行の改修計画の是非)および駅前活性化(人の流れ創出)双方の観点から検討した結果、活性化ゾーンのコアとなる機能を▽現在の方針である『文化ホール大規模改修』▽文化ホールの代替施設としての『エンターテイメントアリーナ整備』▽新規就業による人流確保を目的とした『企業オフィス誘致+新小劇場整備』―の3点に絞り込み、今後検討を進める。
 文化ホール大規模改修では▽Dブロック=既存の文化ホールを改修し、隣接の幼稚園部分に立体駐車場▽Bブロック=民間施設(カフェ・レストラン・スーパーマーケット等)▽Eブロック=公共施設(コミュニティセンター・コワーキングスペース・サテライトオフィス・学習室等)―。
 エンターテイメントアリーナ整備では▽Dブロック=既存の文化ホールを廃止し、代替施設の民間アリーナ、公共施設(コミュニティセンター等)▽Bブロック=複合施設(飲食・ホテル・オフィス等)▽Eブロック=立体駐車場―。
 企業オフィス誘致+新小劇場整備では▽Dブロック=企業オフィス・研究所、民間施設(ホテル・カフェ・レストラン等)▽Bブロック=既存の文化ホール(Dブロック)を廃止し、新小劇場(約300人収容の民間ホール等)、公共施設(コミュニティセンター・会議室等)▽Eブロック=立体駐車場―。
 活性化ゾーン機能の検討には少なくとも約1年が想定されることから、市民の「発表の場」「鑑賞の場」を確保するため、音響照明設備等に課題がある野洲文化小劇場の対応策の検討が必要となる。活性化ゾーン機能についての取り組み期間は▽25〜26年度(令和7〜8年度)=方針の検討▽27年度(令和9年度)=方針の決定―。野洲文化小劇場については▽26年度(令和8年度)=設計→改修▽27年度(令和9年度)=改修→暫定供用▽28年度(令和10年度)=暫定供用―を想定する。
 市では、現構想の見直しに向け25年度(令和7年度)に再検証し、同構想を改訂する。野洲駅南口周辺整備構想改訂支援業務は、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社(東京都千代田区)。26年度(令和8年度)以降に、改訂後の構想に対する詳細な整備計画の策定等(別途発注予定業務)に進むことで、実現可能性を高めたうえで整備に着手していく予定。今後のスケジュールは▽25年度(令和7年度)=整備構想見直し▽26年度(令和8年度)以降=社会実験、基本計画策定、民間活力導入可能性調査、事業者公募・選定等―。併行して、25〜26年度(令和7〜8年度)に既存の文化ホール・文化小劇場のあり方を検討する。

提供:滋賀産業新聞