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建設経済新聞社
2025/12/23

【京都】鴨川の三条〜四条で照明整備 左岸で先行、右岸は将来検討

 京都市は、鴨川(三条〜四条)において、夜間景観づくりとして照明整備に取り組む。
 京都府の第70回鴨川府民会議に整備方針案などを報告した。
 市はこれまでに複数の照明実験を行い、周辺関係者に対するヒアリング結果から、左岸側に対しては明るくなることへの期待や花の回廊の魅力向上を求める意見を確認。一方、三条大橋へのライトアップ、川面への照射など、過度な明るさに対する否定的な意見もあり、右岸側は先斗町の町並みからの光が明るさとして機能していることの意見を確認した。
 樹木やランドマーク(橋梁や歌舞練場)を活かした照明は高評価であり、過度な演出性を抑えた周辺環境との調和、明かりと暗がりのバランスの必要性が示されたとした。
 実装化に向けた検証として、令和5年度までの結果を踏まえ、左岸側は夜間照明整備のニーズが高いと想定、実装化を見据えた照明実験を実施した。
 主に歩行者の行動に着目した効果検証を行い、場所の特徴に応じて、歩行や回遊行動の促進効果が得られた。
 アンケート結果では、歩きやすさ、やわらかなあかりに対して評価が得られ、日頃の通行頻度が高い回答者が相対的に高く評価する傾向が確認できたことから、日常的・普遍的な夜間景観の改善に寄与できることが推察できるとした。
 これらを踏まえ、夜間景観づくりのコンセプト案として「〈普遍〉と〈無常〉 京都に普遍の価値と川・場・時・人の移ろいのなかにある無常の価値を照らすあかり」を掲げた。
 ポイントとして、▽鴨川周辺の景観を構成する要素を理解し、照明・手法の選定は素材や形状を考慮▽道路照明とランドマークの魅力演出のバランスを意識▽温かみのある照明を基調とした柔らかい雰囲気を創出▽鴨川周辺の鳥類を含む生物の生態系に留意(鳥類の営巣活動等のモニタリング、影響が少ない照明配灯、整備後に影響が危惧される場合のオペレーション)−を挙げた。
 照明の整備方針案として、左岸は、▽植栽上部から枝越しに地面を照らす方法や、植栽下部から上向きに照らす方法、または植栽背面の護岸鉛直面を照らし、東山の山並みと一体となった樹形のシルエットを演出する▽通りの交差点部はアイストップとなる樹木へのスポットの照度をやや高める。右岸は、▽先斗町の店舗内部から漏れ出るあかりに着目し、照度、色温度などをコントロールするルール整備等について検討する▽みそそぎ川護岸鉛直面への照明や水面の演出を用いた「やわらかなあかり」によるさりげない明るさ感を演出し、鴨川に滞在する体験の充実度向上を図る▽ランドマークとなる建築物(先斗町歌舞練場)の演出。lこのほか、▽左岸、右岸とも、河川沿いは2400〜3000K程度とし、電球色の色温度で調整▽せせらぎの道は2200〜2700K程度とし、ろうそくのような色温度で調整▽一部、桜の木は4000K程度。
 左岸(川端通東側、せせらぎの道)は「雅びであたたかな回廊空間」と設定。〈やわらかなあかりのフットライトにより足元の照度を確保し、空間に余裕がある箇所では行燈を配し、人の滞留時に安心感を与える。また、擁壁が露出する区間は、せせらぎの対岸にスポット光を配することで、鉛直面の明るさ感を生みつつ、せせらぎに沿って歩行空間に彩りをもたらす。さらに、新門前通や白川通交差点部ではアイストップとして樹木を照らす〉。令和7〜8年度に設計、8〜9年度の照明設置を検討中。
 左岸(川端通西側)は「花と光の通い路」と設定。〈歩道部のあかりの連続による動線空間、交差点等における植栽へのスポット光や先斗町方面を眺めるビュースポットにおけるあたたかいあかりのたまりを配することで、視線を誘導し、回遊を促す〉。令和8年度以降の設計を検討中。
 右岸については、先斗町のぬくもりとランドマークを引き立たせる明かりを将来的に検討する。
 先斗町の建築物から漏れ出る行燈光を基調とするやわらかなあかりをベースとする温かい雰囲気づくりを進める。
 そのうえで、ランドマークとなる建築物(先斗町歌舞練場)や橋梁を演出する照明、みそそぎ川の存在を感じられる明るさ感の演出等の照明整備を検討する。