新潟県農地部農地計画課は、羽茂沖地区(佐渡市)における農業競争力強化農地整備事業(経営体育成基盤整備事業)について、残事業費11億3300万円を投じて用水路工などを推進、2028年度の完了を目指す。
同地区では1965年から67年の団体営ほ場整備事業により標準区画20アールに整備されたが、50年以上が経過した現在では用排水路の老朽化が顕著で水管理に苦慮。水田は湿田か半湿田のため、大型機械の導入や高収益作物の導入に支障をきたしている。このため、基盤整備により受益地の農作物の安定生産と土地の労働生産性向上、担い手への農地集積による営農経費節減を図る。
進ちょく率は56・6%で、残事業内容は用水路工L=2・5キロ、暗渠排水工46・0ヘクタール。これにより用水の安定供給が可能となり、佐渡市がトキ放鳥を契機に設けた「生き物を育む農法」で栽培した「朱鷺と暮らす郷づくり」認証制度の取り組みが拡大・定着し、地域で生産される米の付加価値が高まるとみられる。また、事業を契機に法人化などの話し合いが活発化しており、地域農業の維持発展も期待される。受益面積は114・1ヘクタールで総事業費は26億800万円、現在の費用対効果(B/C)は1・25。