皆野町は、町内唯一の「道の駅みなの」(皆野3236ー35)をリニューアルする事業に着手する。周辺の倉庫施設などを買い取り、敷地面積を現状の2倍程度に拡大し、これまで町内になかった「観光の拠点」(同町産業観光課)としての機能を持たせる構想だ。2029年度からの施設建設を目指す。
同町は一般会計の12月補正予算で、道の駅駐車場の西側に隣接する、かつてスーパーの物流倉庫だった土地、建物を購入する費用5100万円を計上した。
購入するのは、敷地7771・89u(購入見込み額4000万円)と、2階建て物流倉庫1棟延べ床面積1916・52u(購入見込み額1100万円)で、25年内か年明け1月ごろには契約を結びたい考えだ。
同町では、事業に向けて事前に敷地などを確保するために、初めてとなる予算付けを行った。その上で、26年度に町役場内に事業を担当する新部署を発足させ、事業の検討を本格化させる予定だ。
同町が現時点で持つイメージでは、27年度には施設構想を固めて、コンサルタント会社などに事業手法の調査を委託することも検討する。さらに、施設の設計をまとめて、29年度に施設建設に着工したい考え。
リニューアルしたうえで30年度中に営業を開始させることを目指していく想定だ。
現状の道の駅は、敷地面積7620・35uに、地元JAの直売所やレストラン2棟などが建つ。今回の事業が進めば、敷地面積は2倍近くに拡大する見込みだ。
道の駅は、JAの直売所に町の情報館(現在は床面積27u)などを設置して、1949年10月に開業した。建物などが老朽化していることに加え敷地が手狭であり、建て替える目的もあって構想が浮上した。
道の駅は傾斜地に建設されており、段々畑状に駐車場などが併設されている。大型車5台、普通車136台分の駐車場のほか、公衆便所(床面積92・74u)も建つ。
リニューアルの構想は「まだ、白紙から検討している」(同町産業観光課)段階で、物流倉庫側の骨組みなど有効活用できる部分は生かしながら建設を進めていくことにしている。
直売所を拡大させる構想のほか、産業振興の目的に合致する機能を持たせた施設などを建設することも検討している。
た だ、現状の直売所は秩父地域でも有数の売り上げを誇る施設となっており、関係者らは一時的ではあれ、閉店することは避けたい意向があるとみられる。
また、休日には、周辺部は駐車場が足りずに渋滞になることもあるため、そうした対策も必要になるという。
同町産業観光課は「観光拠点として機能させ、集まった来客者を町内各地の観光スポットに分散して流れていってもらうイメージを持っている」と説明している。
提供:埼玉建設新聞