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建設経済新聞社
2025/12/24

【京都】旧平安ホテル活用で市場調査 宿泊施設や共同住宅など提案 定期借地は30〜80年を設定

 京都府は22日、旧御所西京都平安ホテル等に関するサウンディング型市場調査の対話結果を明らかにした。
 府が実施した今回のサウンディング型市場調査は、参加事業者と個別に対話(意見の聴取等)を行う「クローズ方式」。提案内容は定期借地権による活用。
 対話の実施は10月9日〜10月22日。参加者は計21者で、内訳は不動産業9者、建設業5者、ホテル業・サービス業・その他7者。
 参加者のノウハウに配慮するため、対話の概要のみを公表。@全体に関することについて、活用用途は▽宿泊施設▽共同住宅▽飲食施設▽教育施設等。既存建物については「改修して活用」又は「取壊しの上新築」ともに提案があった。
 借地期間は▽定期借地権として30〜80年間で設定。
 A日本庭園の活用に関することについて、▽いずれも維持・保全の上、一般公開やイベント等により、広く府民等に開かれた庭園として活用。
 府は、今回の調査結果を踏まえ、旧御所西京都平安ホテル(土地・建物)及び隣接する旧平安会館職員宿舎(土地・建物)の一体的な有効活用方策等の検討を進める。
 旧御所西京都平安ホテル等(京都市上京区烏丸通一条下る龍前町598−1、他2筆)は地積が6123・23u。主な規制は、用途地域が第二種住居地域(建ぺい率60%、容積率300%及び200%)、高度地区が15m第2種高度地区のほか、歴史遺産型美観地区(一般地区)など。
 主な建物は、旅館(SRC造陸屋根地下1階付6階建、延1万0350・92u/昭和55年3月築)、寄宿舎(RC造陸屋根地下1階付3階建、延1318・74u/昭和55年3月築)、休憩所(W造瓦葺平屋建、17・36u/築年不明)。
 担当は京都府職員総務課共済・厚生係。
     ◇     
 旧御所西京都平安ホテル等の土地・建物を巡っては、府の令和6年度包括外部監査報告において、府有財産の旧平安会館職員宿舎用地(京都市上京区室町通中売立下ル)について「京都府所有の土地活用の検討に際して、府所有の土地単独活用の検討と隣接する平安ホテル(旧御所西京都平安ホテル)と一体活用の検討の両方の場合で考える」とし、「旧平安会館職員宿舎用地は、府が所有する1024・17uの土地であり、地方職員共済組合に対して無償貸与されている。地方職員共済組合は、無償貸与された当該土地に職員宿舎、所有する5100・06uの土地に平安ホテルを建設し、両者を一体的に運営してきたが、令和5年3月に平安ホテルが閉鎖となった。こうした中、京都府において当該土地の今後の利活用について検討を続けてきたが、隣接する平安ホテルの土地と建物の所有者が地方職員共済組合であるため、当該土地の活用方法を考えるに際して、平安ホテルの土地と一体的に検討するか否かで方向性が変わってくる。平安ホテルに関しては、令和3年度に地方職員共済組合京都府支部が平安ホテル経営継続の可否を主旨とした『あり方検討会』を開催しており、その中で『売却での資金確保は簡単だが、京都市内でこれだけの土地の物件が出ることは極めてまれである。公的団体しか維持管理ができない土地であり、地方職員共済組合として求められる売主責任を意識し、所有権を留保し周囲の環境を含め資産価値の向上につながるような方策を検討されたい』との発言が記録されている。また、文化的な面から見て、世界的に有名な日本庭園(大正11年頃に庭師の七代目小川治兵衛によって大改造をされたもの)を維持・存続することは大きな意味を持つものであり、経済的な価値と法的な制約から見ても、当該土地と平安ホテルの土地の一体的な活用を考える方が有益であると考える。以上のことから、京都府が地方職員共済組合の所有地を取得し、将来的な行政需要に備えることが重要と考えられることから、可能な限り早期に京都府が地方職員共済組合の所有地取得の可否を検討すべき」と提言していた。