新潟県入札監視委員会(委員長・阿部和久新潟大学副学長)は24日、第3回定例会議を新潟市中央区で開いた。
議事では、2025年7月−9月期における予定価格400万円以上の工事758件から6件、予定価格200万円以上の業務516件から1件を抽出し審議を行った。
工事の抽出案件のうち総合評価落札方式が5件を占めた。これにちなみ、委員からは「総合評価落札方式はさまざまなメリットがあるので、今後もできるだけ増やしていければ良いのではないか」との意見が出た。県は「くじ引きを防止するなどの意味で総合評価とすることを推奨しており、活用していきたい」と応じた。ただ、総合評価でもくじ引きになっているケースもあるため、適切に機能しているか見ていく必要があるとした。
抽出案件のうち、指名競争の「胎内市中村浜防災林造成(海岸)工事」は、総合評価落札方式(技術者実績型)で、指名15社中9社が辞退した案件。落札者は技術評価点が3位だったが入札額は最も低く、最終的に1位に。指名は過去3カ年で施工地および隣接の海岸工事での実績、胎内市や新発田市に主たる営業所があるB級などを要件としていた。B級に絞った理由について県は「こうした案件はB級に発注したいが、A級を含めるとどうしてもA級に取られてしまうため」と説明した。委員からは「指名の経緯がしっかり伝わるような透明性の確保が必要ではないか」との意見が出た。
一般競争の「堀之内1号幹線四日町圧送管改築(推進)工事」では、見積もり提出した4社が応札。総合評価落札方式(技術評価型)で、落札者は入札で2番札だったが技術評価点で逆転した。委員の「この工事をJVで行う意義は何なのか」との質問に対し、県は「代表者以外の構成員には地域要件を設定していた。この場合、(構成員は)基本的に地元に精通し、現場のことを熟知しているので、JVに入る意義は大きい」とした。
指名競争の「新潟県高潮浸水想定区域図作成(その1)業務委託」は、落札した1社のみが予定価格以下に。県は「13社から見積もりを取り、最低額のものを予定価格に採用。入札時(12社参加)には各社とも見積もりとほぼ同額かそれ以下を入札したため、予定価格に採用された1社が落札した」と説明。「この1社は他社よりだいぶ安く、ある意味異常値とも言えるが、なぜ予定価格に採用したのか」と問われ、県は「隣県でも同じような業務を請け負っていて十分な知見があり、その金額でできるというのは納得のいくものだった」とした。
このほか、「県営かんがい排水事業(特殊地域)多能第1次工事」、「県営ため池等整備事業(用排水・特大)堀川第6次工事」などについても審議した。