京都市は、京都駅前の再生に係る有識者会議の意見まとめ案について、1月下旬から2月下旬にかけてパブリックコメントを実施し、3月に有識者会議に報告する。その後、有識者会議は市への提言書をまとめる。
有識者会議は「おおむね20年後までの将来像」「京都駅を中心とした主に商業・業務が集積する区域(京都駅から東西それぞれ約450m、南北それぞれ約300mとし、東は河原町通、西は堀川通、北は七条通、南は八条通。用途地域は大半が商業地域(建ぺい率80%、容積率600%))」「駅前広場は、新たな建物利用を伴うような大規模な改変ではなく、既存機能の拡充を前提とする」を基本に検討を進めてきた。
京都駅前の将来像として、▽京都の玄関口にふさわしいまち▽行きたくなる、過ごしたくなるまち▽京都経済のけん引役、共創の一大拠点▽利便性の高い交通結節、駅とまちのスムーズなつながり−を設定。将来像の実現に必要な取組として、▽成長と共創・交流を促す多様な都市機能の集積▽駅や駅前広場の機能向上、楽しみ、憩える人中心の空間づくり▽回遊性の向上・歩いて楽しいウォーカブルなまちづくり▽京都駅前にふさわしい良質な街並みの創出▽公民連携・エリアマネジメント−を挙げた。
建築費が高騰するなか、事業性の点から現行規制下では建替え等の整備が進みにくく、将来像実現に寄与する貢献も困難とし、民間投資を促す視点が不可欠とした。こうした状況を踏まえ、都市機能によるインセンティブ手法の活用等によって、戦略的に将来像を実現すべきとし、具体的には、まちに望ましい機能の導入、交通結節点の機能向上、歩行者空間の充実等による回遊性・快適性の向上、目指す街並みの実現に資する取組を条件に、絶対高さや斜線制限などの建物高さや容積率の規制を緩和する規制誘導手法を導入すべきとした。
京都駅前にふさわしい良質な街並みの創出では、周辺社寺等からの眺望に配慮し、建物高さの上限は、駅前広場周辺は京都駅ビル同等の60mまで、その周囲は45mまでが妥当である等とした。
豊かな空間を備えたクリエイティブなオフィス空間を創出・集積すべき等とする一方、限られた空間でのオフィス空間等の集積が重要なため、ホテルや住宅は立地誘導の対象とすべきでないとした(既存の土地利用の状況や、事業実現性の観点を踏まえ、一定の立地は認めるべき)。
駅前広場は、鉄道・バス・タクシーの乗換の場としての最適化・機能向上を図るべきとした。短期的には京都駅新橋上駅舎・自由通路整備事業を着実に実施しつつ、駅前広場等において活用可能なスペースに快適な待ち環境・憩い・アクティビティを生み出す場を創出すべき、中長期的には建物更新や交通再編による駅前の交通結節機能の再配置など、空間再編による人中心の空間の大胆な拡大を目指すべきとし、時間を要するため、早期の調査・検討に着手すべきとした。
このほか、公民連携・エリアマネジメントで、京都駅周辺に市有地や公共建築が複数あることを踏まえ、民間活力の導入も視野に入れながら、立地ポテンシャルを最大限に活かし、エリアの将来像の実現に資する活用をすべき等とした。
京都駅前の再生の実現に向けた短期、中・長期のスケジュールイメージを提示した《=表参照》。主なものをみると、[都市機能の集積]都市計画見直し・まちづくりガイドラインを経て、民間建物の順次更新による集積、[駅前広場・空間再編]広場の再編に向けた調査・検討・社会実験などを経て、広場の再編、[道路空間(塩小路・烏丸通等)・空間再編]道路空間の再編に向けた調査・検討・社会実験などを経て、道路空間の再編−など。