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北海道建設新聞社
2026/01/20

【北海道】道央道札幌南−千歳の6車線化が浮上/周辺インフラ整備機運向上

 道内での次世代半導体量産や関連産業の集積を見据え、道路網拡充など周辺インフラ整備への機運が高まっている。物流の大動脈である道央自動車道札幌南IC−千歳IC間の6車線化との考えが道内選出国会議員から浮上。関係自治体や物流業界からは歓迎の声が上がる。先端製品の輸送網確立・強化に向けて今後の動向が注目される。
 ■道内選出の国会議員から
 「札幌南ICから千歳ICまでを何とか6車線化できないかと考えている。業界の皆さんからも応援頂きたい」−。15日に札幌市内で開かれた北海道道路標示・標識業協会の新年交礼会で、岩本剛人参議院議員はこう述べた。当該区間は片側2車線の計4車線で、延長約27q。発言の背景には、千歳市内でのラピダス(本社・東京)による半導体製造など新たな産業の発展に向け、道路網をはじめインフラ充実を図りたいとの思惑があるとみられる。
 ■ラピダスは第2工場構想も
 ラピダスは2025年7月、次世代半導体製造拠点IIM−1で製造した2ナノ(ナノは10億分の1m)世代の電子部品「トランジスタ」の試作に成功し、27年の量産開始に弾みをつけた。27年には第2工場着工の構想もある。より高性能な1・4ナノ級を製造する考えだ。
 これらに併せ、IIM−1がある市内の工業団地「千歳美々ワールド」に産業技術総合研究所が半導体の研究開発拠点を新設する計画だ。最新のEUV(極端紫外線)リソグラフィシステムを設けるクリーンルーム棟は、延べ1万−1万2000uの規模を想定。29年7月にも完成させる。企業・大学など幅広い機関の利用を見込んでいて、研究者や技術者の派遣にとどまらず、さらなる拠点開設が期待される。
 ■成長産業の成功に 物流網拡充が必要
 物流網の拡充は、これら政府が成長分野と位置付ける産業の成功に不可欠な要素だ。道央道や同じく千歳と札幌を結ぶ国道36号は冬季を中心に渋滞が起きやすい。幹線道路の拡幅といった対策を講じなければ、新たなモノや人の流れへの対応は難しくなる。
 道央道を管理する東日本高速道路道支社によると、道内に6車線の高速道路はない。関係自治体からは6車線化の考えに歓迎の声が上がった。千歳市幹部は構想を把握していないとしながら「実現すれば物流や新千歳空港からの2次交通の面で大きなメリット」と期待する。
 北海道トラック協会ダンプトラック部会の山下央部会長は、冬場の混雑を踏まえると、6車線化がトラックの安全な通行につながると指摘。「いろいろなモノが動く札幌−苫小牧間が太くなると、ストレスなく走れる。道路に関する提言の場となる北ト協道路委員会でも発言したい」と強調する。
 半導体工場に近い苫小牧港や新千歳空港、石狩湾新港の機能強化など、北海道開発局を中心とした事業と併せ、半導体を国内外へ円滑に輸送するための取り組みの行方が注目される。