さいたま市は埼玉高速鉄道線(地下鉄7号線)延伸実現に向け、関連する「中間駅まちづくり方針」「岩槻駅周辺まちのあり方ビジョン」をまとめた。今後は事業の採算性などを精査し、県・鉄道事業者と連携して「速達性向上事業に関する計画素案」を策定して2月議会に報告する予定だ。関係各所と調整を経て、年度末にも県と共同の事業実施要請を目指す。
現在の浦和美園駅から岩槻駅周辺に至る約2700mの区間延伸を目指し、これまで検討を進めてきた。仮に延伸が実現となれば「中間駅」と臨時駅の「埼玉スタジアム駅」が新設され、終点となる岩槻駅が交通結節点となる構想。
当面の目標は「速達性向上事業に関する計画素案」を策定した後、さいたま市・県の共同で事業実施要請を行うこと。現在は事業の採算性精査などを進めており、市側は2月の定例会をめどに計画素案などに関する議会報告を行い、承認を諮った上で関係各所との調整に入る見通しを立てる。順調ならば年度末の要請を見据えている。
事業の採算性を見極める上で、新設される駅周辺のまちづくりが大きな要因になる。市側は本年度、中間駅および交通結節点になる岩槻駅周辺のまちづくり検討を重ねてきた。これらの成果を12月議会に示しており、このたび2つの計画を完成させたことを公表した。
中間駅に関しては、浦和美園地区・岩槻駅周辺地区の中心部に位置する構想。過去にまちづくり方針を一度はまとめていたが、同地区のポテンシャルが当初想定より高いとみて、事業規模を当初の「45〜60 ha」から「対象面積120ha、定住人口約1万人」に拡大する方向へ転換。委員会を通じて最新の状況に合わせた方針を検討していた。
新たな方針では豊かな緑の保全や先端技術を活用した空間創出を進める考えを盛り込み、人の営みが100年間続く循環を生み出すことを目標に設定。方針の中で街の将来像やコンセプト・導入機能、今後に取り組む施策などを示す。
同様に、岩槻駅周辺ついても「岩槻駅周辺まちのあり方ビジョン検討委員会」を開催し、まちづくりの方向性やまちの将来像などを具体化してきた。最終的な成果を1月にまとめている。
同ビジョンによれば、今後の施策として「まちの玄関口としての駅前空間充実」「駅周辺部の土地・空間の有効活用による賑わいづくり」「交通網充実による地区内外の連携強化」「観光交流・商業振興の充実、歩行者のウォーカブル」「市民参加とエリアマネジメント推進」などを進める見通しだ。
■事業化支援の要望も
13日には大野元裕県知事と清水勇人さいたま市長が、金子恭之国土交通大臣に地下鉄7号線延伸の早期事業化に向けた支援を要望している。
要望した内容は▽地下鉄7号線延伸の本年度末の事業実施要請を見据えた財務当局との速やかな協議▽都市計画決定に合わせた国庫補助事業化▽事業を円滑に推進するため、予算の安定的な確保及び現実的な支援スキームの確立――の3点。
要望書では、事業の実現による都心部への速達性・利便性向上、鉄道空白地帯の解消などの効果を訴えた。また2026年度から環境影響評価や都市計画決定に向けた手続きに着手する予定も記載。延伸の早期実業に向け、同業務を終えた後の速やかな国庫補助時事業化を求めた。
提供:埼玉建設新聞