東日本建設業保証神奈川支店がまとめた「神奈川県内の公共工事動向」によると、2025年4〜12月に取り扱った前払金保証ベースの請負金額の累計は、前年同期比0・8%増の6270億4100万円だった。下半期に入って取扱高が伸び、過去10年で最高となった。一方、件数は前年同期比3・4%減の6609件とこの10年で最低。防衛省を除く国、政令市を含む市、独立行政法人、神奈川県県土整備局などはおしなべて減少しており、実質的な公共工事の減少が顕在化している。
25年4〜12月の発注者別累計請負金額を見ると、▽国=553億4700万円(21・9%減)▽独立行政法人=1003億4200万円(19・2%減)▽県=762億2900万円(1・2%増)▽市町村=3335億1100万円(15%増)▽地方公社=166億0500万円(6%減)▽その他=438億8100万円(0・8%増)―だった。
主な機関別では、首都圏中央連絡自動車道など高速道路の発注が一服し、国土交通省が前年同期より193億円、中日本高速道路が188億円、東日本高速道路が129億円それぞれ減少。
一方、増加額が大きかった機関には、横浜市(212億円増)、小田原市(76億円増)、川崎市(62億円増)、茅ケ崎市(52億円増)、防衛省(55億円増)などがある。
神奈川県は、企業庁が21億円、県警本部が8億円増加。県土整備局が22億円、総務局が7億円減少した。
コスト高で実質的な公共事業は減少
建通新聞社が集計した25年度当初予算の神奈川県と県内全自治体を合わせた投資的経費は24年度比5・5%増となっているが、25年3月に改定された神奈川県の設計労務単価もほぼ同じ幅の5・1%増加した。資機材の上昇や、時間外労働への対応、夏季の暑熱対策など工事に関わるコストアップの要因は多い。
実際、ほとんどの工事を地元企業に発注する神奈川県で請負金額が1・2%増えた一方で件数は2・1%減少、政令市3市では請負額14・4%増に対して件数は1・4%減少した。全市町村では請負金額が15%増えたのにもかかわらず件数は4%減り、工事費の伸びと件数が比例しない。事業費の増加が建設費の上昇に追いついていない格好だ。
提供:建通新聞社