京都府は、京都ならではのフードテック(食分野の最先端技術)の創出に向け、北部と南部で拠点整備に取り組む。
京都の食産業の高付加価値化と競争力強化を図るため、研究機関の整備を推進するとともに、シーズとニーズのマッチング強化を図る。
令和8年度当初予算案に京都フードテック推進拠点整備3億0300万円を計上。亀岡市の農林水産技術センターの綾部市の農業大学校隣接地への移転に向け、新センターの整備手法等の検討を進める一方、京都プレミアム中食オープンイノベーションラボとして、宇治市の京都府南部総合地方卸売市場(南部市場)の関連棟を一部改修し機能性加工食品等の開発拠点を整備する。京都プレミアム中食オープンイノベーションラボについては、令和8年度一般会計予算案の債務負担行為として、同ラボ(仮称)整備事業費に限度額1億9900万円を設定した。期間は令和8年度〜9年度。
府の試験研究機関である農林水産技術センター(亀岡市余部町和久成9)が農業大学校(綾部市位田町桧前30)の隣接地に移転する計画。府は関連業務として、畜産センター及び農業大学校敷地測量等調査業務を開札し、企業組合一級建築士事務所ひと・まち設計(京都市山科区)が落札した。
主な業務内容は、@敷地条件の整理Aゾーニング・レイアウトの検討(▽敷地内における本館、実験棟、教育棟、関連棟、その他関連施設の効果的な配置▽動線計画(職員動線、来所者動線、歩車動線)▽設備計画▽レイアウト案等)B整備手法の検討(▽事業スケジュール▽概算事業費▽整備手法案)。
主な建物として、本館・分野横断型産学公促進棟《=建物イメージ》(W造2階建、延2071・24u)・新築、本館・「実験棟」(2階建、延1096・78u)・改修(現畜産センターを改修)、本館「教育棟」(2階建、延116904u)・改修(農業大学校を改修)。
関連棟としては、▽ガラス温室兼育苗室(7m×20m×6棟)延847・5u▽昆虫飼育室・延25u▽収穫調整場兼作業棟(S造、85m×15m)延1200u▽資材庫棟(コンクリート造)延495u▽農機具庫(コンクリート造)延675u▽ガラス網室(コンクリート造、33m×9m)延297u▽原種生産施設ガラス網室(コンクリート造、9・0m×15・0m×2棟)延271・5u▽ボイラー棟(RC造)延185・4u▽車庫(S造)延155・7u▽原々種貯蔵庫(コンクリート造、網室、7・5m×15・0m)延112u▽原々種調整室(コンクリート造、15m×5・6m)延84u▽水稲播種施設(コンクリート造、屋根のみ)延48・5u▽ボイラー室(CB造)延46・5u▽燃料庫(CB造)延19・4u▽プロパン庫(CB造)延6・6u▽少量危険物格納庫(CB造)延4・8u▽実験廃液処理施設・延12u▽精密温室棟(コンクリート造)延378u▽育種母本乾燥保管場(コンクリート造、網室)延112u▽検定温室(5連棟、コンクリート造)延597・7u▽豆・米乾燥室(コンクリート造、網室、7・5m×15・0m、2連棟)延224u▽ポンプ庫(高圧洗浄機)延2・3u▽井戸施設・延31・1u▽生活改善実験室・延50u▽鳥獣資材置き場・延50u▽鳥インフルエンザ資材倉庫(S造)延770・00u▽倉庫(農業大学校収穫物等)(S造)延20・00u。このほか、スマート農業実習フィールド956・00u、農業機械運転練習場6940・00u、駐車場1万0280・00u。
新築する本館「分野横断型産学公促進」棟について、木材調達は、材工分離発注により調達する方針。
対象地は綾部市位田町桧前30(畜産センター・農業大学校敷地内)で、敷地面積は28万7674u。用途地域は特定用途制限地区(田園居住地区)。履行期間は令和8年3月23日まで(府議会の繰越承認が得られた場合、発注者の判断により契約期間を延長することがある。延長期間は最長4ヵ月)。
もう一方の中食の開発拠点の京都府プレミアム中食オープンイノベーションラボ(OpenInnovationLab/OIL)は、南部市場(宇治市伊勢田町西遊田90−1)の関連棟(S造2階建、延1万1455・39u/昭和62年2月築)について、所有者の葛椏s総合食品センターから府が一部(1階)を賃借しOILを整備する計画。
OILは、独立研究室やコワーキングラボ、コワーキングキッチン等を含む未来の食を研究する食関連産業・学・公の連携拠点として食品の健康機能性や加工・保存技術研究を行う施設とする。
整備コンセプトは、@高機能性「中食」の研究開発A地域の企業やグループによる加工品開発B食をテーマとした交流会など地域イベントによる賑わい創出。
改修方針では、壁や天井に老朽化がみられるため、内装は撤去し新しくする。配管等は全て更新。OIL整備にあたり新たに空調設備を設置するため、断熱材を壁・天井に施す。コンクリートの間仕切り壁は撤去、間仕切り壁先端の鉄骨の細い柱や上部の鉄骨フレームは残す。
市場部分の一部にOILに整備するため、外から見て分かりやすいようOIL部分を木目調の縦格子で覆う計画。和テイストで親しみやすい雰囲気とする。
事業費は6億6655万6000円(税込)を見込む。内訳(税込)は工事費計6億1865万円(解体工事費1億3699万7000円、改修建築工事費2億4094万5000円、改修設備工事費2億2291万3000円、外構工事費1779万5000円)のほか、厨房機器(イベントスペース)1100万円、設計費(基本設計・実施設計・積算・申請手間含む)3669万6000円、申請手数料(計画通知)2万1000円。
令和6年度の調整による変更点として、市場関係者からの要望(▽セリ場から関連棟への通路の確保▽市場の動線とラボ利用者の動線の分離等)を踏まえ、整備場所を調整。基本計画時の改修対象面積は1479uだったが、令和6年度の調整で改修対象面積は953・2uに変更した。
各室の機能を「研究」「試作」「交流」の3つに分類し配置する。[研究]は▽独立研究室(府)▽独立研究室(民間企業等)▽コワーキングラボ、[試作]▽コワーキングキッチン▽独立コワーキングキッチン▽冷凍・冷蔵庫、資材保管庫▽加工品試作室▽粉砕室▽乾燥室▽下処理室▽機器室▽検品室▽手洗い・更衣室、[交流]▽テナント・大▽テナント・中▽テナント・小▽コワーキングカフェ(イベントスペース)▽相談室1▽相談室2▽会議室のほか、通路・トイレ等。
令和5年9月開札で南部市場オープンイノベーションラボ整備基本計画策定業務について、莫設計同人(京都市中京区)に決め、とりまとめ。その後、令和7年9月開札で京都府プレミアム中食オープンイノベーションラボ整備工事基本・実施設計業務を山田建築工房(京都市東山区)に決定した。履行期間は令和8年3月25日まで。
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府所有の京田辺市南田辺西地区の土地に、食の最先端研究と関連製造企業の集積拠点「けいはんなフードテックヒル(仮称)」が整備される。
府は、事業施行者の公募で選定した潟tジタ(東京都渋谷区)と令和4年9月に南田辺西地区土地区画整理事業に関する覚書を締結。同社の提案では「フードテック・スマートバレー」をまちづくりコンセプトに設定。食に関するイノベーション創出の場としてフードテック分野における研究施設・生産施設の集積を目指し、付加価値の高い次世代型産業用地「スマートバレー」の創出を図る。
令和7年7月に府がフジタの開発事業計画に同意、8月にはフジタが京田辺市に事業計画認可申請を行い、京田辺市の認可を受けた。
区画整理の面積は約43・7f。事業費は約179億円を見込む。土地利用は食関連等の研究施設、研究開発型産業施設。
令和13年度末に整備を完了させ、土地引き渡しを開始する。