国土交通省近畿地方整備局長と奈良県知事、大和川流域特定都市河川流域25市町村長らで構成する大和川流域水害対策協議会(座長・齋藤博之近畿地方整備局長)は2月4日、奈良市内で第7回の会議を開いた。奈良県は2026年度に大和郡山市、奈良県川西町、田原本町に続く新たな貯留機能保全区域の指定候補地を市町村との合意の上選定し、指定区域の拡大を進める方針を示した。
開会に際して齋藤局長は、大和川流域の先駆的な取り組みが全国から注目されていることを強調し、「引き続き流域治水としてハード、ソフト一体となった多層的な治水対策に一緒に取り組んでいこう」と一層の協力を求めた。
続いて奈良県の山下真知事は、「25年度の国の補正予算では、安堵町で進められている直轄の窪田遊水地の堤防整備の予算が措置されたと聞いている。これにより内水を早期に取り込めるようになるなど、地域の安全性の向上につながる。引き続き国、県、市町村が一体となって地域の治水に努めていきたい」と取り組みの進展に期待を表わした。
会議では、国土交通省大和川河川事務所から大和川の国管理区間における河川事業の整備状況が説明された他、奈良県から、河道拡幅などの河川改修による「ながす対策」、雨水貯留浸透施設などによる「ためる対策」、貯留機能保全区域の指定などによる「ひかえる対策」の進捗などを説明し、流域での取り組み状況を共有した。
国管理区間の河川事業としては、窪田地区の遊水地整備で取り込みや排水の樋門整備などを進めている他、今後、越流提や周囲堤などの整備を進める。
三郷町かわまちづくり事業と連携した河川整備では護岸整備を進めており、今後、河道掘削などを進める。また、大和川中流域強靱化事業として今後、西九条地区改修、番条地区改修、大和川遊水地・唐院地区、同・目安地区、王寺地区河道掘削などを予定している。
取り組み状況の共有の後、奈良県三宅町、奈良市、桜井市がそれぞれ意見を述べた。三宅町は「『ながす対策』が進むほど、上流部で雨が降ると下流部(三宅町内)の水位の上がり方が想像以上に早くなっている。上流部も連携して『ためる対策』をすることが重要」と訴えた。
奈良市は、「ためる対策」として最少必要量に対する対策率の伸びが課題との認識を示し、「地域の協力を得ながら対策率の向上に努めたい」と述べた。
また、桜井市は、「大和川最上流部であり、その責任と役割をしっかりと認識し、今後も重要施策として取り組んでいく」とした。
これらの発言を受けて山下知事は、上流部と下流部では危機意識に温度差があるのではないかと指摘し、流域全体での危機感、責任感の醸成、共有を求めた。
※写真は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社