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北陸工業新聞社
2026/02/16

【富山】「複合災害」に備えを/斜面防災協会技術講演会

 第40回斜面防災対策技術講演会が12日、富山市のホテルグランテラス富山で開かれ、一般参加も含めて行政や大学関係者、会員ら約320人が、「複合災害」のリスクに対する備えについて意識を新たにした。
 斜面防災対策技術協会富山支部、富山県治水砂防協会、富山県砂防ボランティア協会が主催。
 冒頭、田中洋一郎支部長は「本年は立山砂防事業開始から120年、さらに県から国へ事業が引き継がれて100年という意義深い節目の年を迎えている」と紹介した上で、「能登半島地震と、その後の豪雨など先行する自然災害の影響が残る中で新たな自然災害が発生し、被害が拡大する『複合災害』のリスクが懸念される。昨年に続き、能登半島災害から学び、ふるさと富山の安心・安全を守るため、どう備えるかを考える機会にしたい」とあいさつした。
 「土砂災害の発生原因と対策を考える」を演題に基調講演した国土交通省前砂防部長の草野愼一氏は、土砂災害における対策として砂防堰堤の整備効果に触れた上で、発生の原因について自身の経験に基づき、「斜面崩壊に起因する土砂災害は、土中環境が停滞性基岩となり、樹木の深根による抑止効果の低下が発生原因の一つ。今後の斜面対策は、土中の通気性を阻害しない対策がポイントではないか」と指摘し、地下水を停滞させない土木施設の事例などを交え説明した。
 高野小学校(立山町)の6年生12人による立山カルデラ砂防勉強会の体験報告「わたしたちの立山とSABO」では、児童が事前の講座や現地見学の様子を紹介し、「砂防工事には終わりがなく、今でも続いていることを知った」と発表した。続いて富山大学名誉教授で富山地学会長の竹内章氏による「能登半島地震から南海トラフ地震へ」がテーマの活動報告が行われた。
 休憩を挟んで、立山砂防女性サロンの会の村上綾子氏が「神戸六甲砂防施設視察」と題し活動報告。富山県立大学教授の古谷元氏が「六甲で発生した斜面災害」、三和ボーリングの森愛氏、富山大学地球システム科学科4年の柳瀬歩実氏、富山県立大学環境・社会基盤工学科3年の平賀柚風氏が「六甲砂防グリーンベルト事業など」について技術報告した。講演会の後には講師を囲む会が開かれた。
 この日は、阪神淡路大震災関連施設、六甲砂防事務所関連工事、富山県内の近年の災害に関する写真展も開催された。

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