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北海道建設新聞社
2026/02/17

 【北海道】道が26年度予算案を発表/投資的経費は微減の3618億円

 道は13日、2026年度予算案を発表した。一般会計は前年度当初比3・9%増の3兆1681億930万6000円。うち公共事業などの投資的経費は3618億8700万円で0・7%下回り、特別会計を合わせても0・6%減の3723億2670万円にとどまった。ただ、25年度補正予算案を含めた実執行分は一般会計で5522億円と3・3%増加した。主な建設事業では、半導体関連企業の立地増加などを踏まえ道路を新設する静川美沢線改築(苫小牧市)や、止別川広域河川改修(小清水町)の新規事業化を予定している。(関連記事、予算関連表5面に)
 特別会計は前年度当初比1・8%減の1兆377億2839万8000円。これに一般会計を合わせた総額は4兆2058億3770万4000円と2・4%のプラスを示している。
 ■一般会計3兆円台
 一般会計は6年連続で3兆円台を確保した。過去10年の推移を見ると、21年度の3兆2500億円、22年度の3兆2200億円に次ぐ3番目の規模。25年度の国補正を合わせた実執行予算は5・7%増の3兆4542億円に上る。
 一般会計における投資的経費の内訳は、特別対策事業費が0・7%増の294億円、公共関連単独事業費が3・5%増の148億円、社会資本整備総合交付金事業費が0・3%増の208億円、施設等建設事業費が1・1%増の370億円。一方、補助事業費等は1667億円で2%、農地耕作条件改善事業費は58億円で10・9%減少した。
 前年度の国補正を含めた実執行分では、全ての区分が増加。このうち補助事業費等は0・2%増の3015億円、社会資本整備総合交付金事業は21・2%増の532億円となっている。
 災害復旧費は前年度当初比26・4%増の37億7120万1000円。過去の災害に対応する過年分が14億4337万円、26年度災害に備えた現年分が23億2783万1000円という内訳だ。
 ■道路
 主な建設事業を見ると、道路では静川美沢線改築の新規着手を予定。苫小牧市静川から苫小牧東部地域を経由し美沢に至る主要道道で、未開通区間の柏原−苫東中央IC間を新設することで物流効率化や沿道の企業立地促進支援につなげる。工事内容は道路工3650m、全幅9m、軟弱地盤対策、橋梁1橋240m新設を見込んでいる。
 道横断自動車道端野高野道路に新設される仮称・北見緋牛内ICへのアクセス道路となる網走端野線改築(北見市)1800mも新規事業化する計画だ。
 継続では、債務負担行為を設定している大岸礼文停線美の岬トンネル法面対策(豊浦町)、熊牛御影線十勝橋(清水町、芽室町)が最終年度、奥尻島線力沢大橋(奥尻町)が施工3年目を迎える。愛別当麻旭川線4丁目1号橋(当麻町)は新たに3カ年の債務負担行為を設定する見通し。
 その他の主な事業では、架け換えを進めていた恵庭栗山線馬追橋(長沼町、栗山町)や上札内帯広線上札内橋(中札内村)などが新橋の供用を予定。小樽環状線最上トンネル(小樽市)も防災設備や照明、路盤舗装などを施工後、新ルートが開通する見込みだ。
 ■街路
 街路は、3・3・303登別温泉通駅前広場整備(登別市)、3・3・20永山東光線跨線橋整備(旭川市)の事業進捗を図るとともに、3・4・26南岸通改築(北見市)、3・4・2駅前通無電柱化(白糠町)の本工事に着手する予定となっている。
 ■公園
 公園事業では釧路圏道立広域公園整備(白糠町)の新規事業化を見込む。長寿命化計画に基づく老朽施設の改築・更新は、サンピラーパークストリートスポーツ広場再整備(名寄市)を計画する。
 ■下水道
 下水道事業は石狩湾新港地域公共下水道などで処理場の改築・更新、石狩川流域下水道などで老朽化・耐震化対策に取り組むほか、下水道管路全国特別重点調査で緊急度が高いと判定された箇所も速やかに対策工事を進める。
 ■河川
 河川は、止別川、足寄川(足寄町)広域河川改修の新規着手を予定。継続では湯の川(函館市)、雨竜川(幌加内町)、釧路川(釧路市、釧路町)などの整備を推進する。砂防は新規が浜町1の沢川(函館市)、継続が富良野川火山砂防2号堰堤(上富良野町)、駒ケ岳火山砂防砂原町工区(森町)、暑寒別川砂防(増毛町)などとなっている。
 ■海岸
 海岸事業は、東蓬莱海岸メンテナンス事業(新ひだか町)の着工を計画。また、友知海岸(根室市)、大津海岸(豊頃町)の高潮対策、野付崎海岸浸食対策(標津町、別海町)などを継続整備する。
 ■建築関係
 建築関係では、道営住宅3団地を新築する計画だ。北広島市の輝美町団地はRC造、5階、30戸、岩見沢市の仮称・岩見沢駅北団地はRC造、5階、20戸を想定。仮称・北見中央団地はRC造、8階、30戸を見込んでいる。
 ゼロカーボンモデル団地は、仮称あっさぶ、ぬかびらの2棟で新築の実施設計に入るほか、エシカルタウン鹿追Aの新築を継続する。
 エシカルタウン鹿追Aは、鹿追町で25年度に着工したゼロカーボンモデル団地の第1弾。1棟5戸の規模で26年度の完成を目指す。
 13日の定例記者会見で鈴木直道知事は「未来への投資に限りある行財政資源を振り向ける、AI−DX時代に即した効率化・省力化などで誰もが安心して暮らせる地域づくりを目指す、という考えの下で重点政策を取りまとめた。これらを着実に推進するために必要な投資を行い、北海道を新たなステージに押し上げたい」と述べた。
 予算案は20日開会の第1回定例道議会に提出する。
 ■道26年度予算案の解説/新産業支えるインフラ整備を
 道の2026年度一般会計予算案は前年度当初を3・9%上回り、2年連続で増加を示した。半導体、GX・デジタル関連産業の集積、投資促進につながる施策だけではなく、AI・DXを活用して農業、林業、水産業といった、さまざまな産業で生産性向上を図る施策が盛り込まれるなど、食や観光を含め成長が期待される分野のさらなる発展を図る考えだ。国は地方創生へ地域ごとの産業クラスター形成を目指しているが、実現にはそれを支える生産基盤、インフラの整備が欠かせない要素となるだけに物足りなさは否めない。
 重点政策の基本的な視点に挙げたのは「暮らしの安心」「未来を見据えた挑戦」−の2つ。半導体やGX・DX分野をはじめとする良質な投資と産業・人材の集積、農林水産業などの生産性向上や戦略的・持続的発展へAI、DXを効果的に活用していく、という姿勢を強く打ち出した。
 一般会計の投資的経費に目を移すと、当初予算では0・7%減と前年度を下回ったものの、国土強靱化実施中期計画を中心とした国の補正もあり25年度補正案を合わせた実執行ベースでは3・3%増加。25年もカムチャツカ半島付近地震、青森県東方沖地震が起き、気候変動に伴う水災害リスクが増大する中、待ったなしの課題である防災・減災対策は引き続き推進するが、これは北海道の成長を止めない政策だ。
 道財政は今後も収入不足が見込まれるなど依然として厳しく、26−30年度の実質公債費比率は25%未満を維持することを目標に掲げる。ただ、鈴木直道知事が力を入れる半導体関連産業などの集積、食や観光における生産性向上を促し、その効果を全道に広げていくには道路網拡充などのインフラ整備が必須。歳出削減を図りながらも、新たに芽吹いた産業の成長を促進させる必要があるが道の施策は側面的な支援が多い印象だ。
 まちづくりに大きく影響する半導体などの重要プロジェクトは具現化しつつある。地域と共に将来の姿を描き、効果を最大限に発揮させるために道が何をできるか。広域自治体である道にしかできない社会資本整備が期待される。(建設・行政部 古関暁典記者)