京都府は、与謝野町男山で主要地方道網野岩滝線(男山バイパス)道路整備事業を計画。「新たに事業費の予算化要望を行う全体事業費が10億円以上のもの」に該当することから、公共事業評価に係る第三者委員会に諮る。
網野岩滝線は、京丹後市網野町網野から与謝野町岩滝に至る丹後地域の南北を結ぶ道路。京丹後市弥栄町の国道482号から終点の与謝野町の国道178号間で未改良区間は2ヵ所あり、そのうち1ヵ所は現在事業中であるため、今回新規事業化する事業箇所が最後の未改良区間となる。
事業区間の現道は、幅員狭小・線形不良区間が連続していることに加え、がけ崩れのおそれがある急傾斜地を通過することから、平常時の安全で円滑な通行や大規模災害時の緊急輸送道路としての信頼性に課題がある。がけ崩れのおそれがある急傾斜地の危険箇所や狭隘区間をバイパスで回避することにより、網野岩滝線の緊急輸送道路としての信頼性を向上させ、丹後半島全体の緊急輸送道路ネットワーク強化を図る。
現道西側にバイパスを整備する。事業箇所は与謝野町男山で延長はL1・14q(うちトンネル196m、橋梁61m(▽1号橋23m▽2号橋20m▽3号橋9m▽4号橋9m))。幅員は7・5m、2車線で、幅員構成は(車道3・00m、路肩0・75m、歩道なし)。
計画交通量は3400台/日(令和22年予測交通量)。道路の区分は第3種第3級。
全体事業費は33億7000万円を見込む。
総便益(B)は47億円、総費用(C)は27億3000万円と試算、費用便益比(B/C。現在価値算出のための社会的割引率4%)は1・7と算出した。B/Cは1以上となることから事業の有効性が認められるとした。
事業地における地質リスク項目及びリスクへの対応を整理。円滑に事業を推進するため、想定されるリスクが顕在化した場合でも、事業費が増加しないよう、対策費用を事業費に計上した。
橋梁について、リスク項目「過年度の地質調査結果より、基礎構造は直接基礎と想定しているが、橋台位置での地質調査により、基礎構造が変更となり、費用が増大する可能性」とし、リスクへの対応「基礎構造を杭基礎構造に変更した場合の費用を計上。今後、下部工施工箇所での地質調査が必要」(約1億7000万円)。
トンネルについて、リスク項目「近年の京都府におけるトンネル工事の施工実績から、施工時における湧水や地盤状況の変化により、支保構造の変更や補助工法が追加となり、費用が増大する可能性」とし、リスクへの対応「近年のトンネル工事の増額要因を踏まえ、支保パターンが変更となった場合の費用及び補助工法を追加した場合の費用を計上」(約2億円)。
コスト縮減や代替案等の可能性について、現道拡幅案(A案)、西側バイパス案(B案)、東側バイパス案(C案)の3案を比較検討。B案が「3案中で最も経済性に優れる」「最小曲線半径は望ましい値を満足しており、3案中で最も走行性に優れる」「墓山古墳群の直下をトンネルで通過するため地形改変を伴わないうえ、3案中で最も支障物件が少ない」とし、B案を採用案とした。
府は、事業の効果として「丹後地域の緊急輸送道路ネットワークの強化や高次救急医療機関へのアクセス向上、安全な通行の確保が期待できる」「走行性向上によるCO2排出量の削減や交通環境の改善が期待される」とし、3月3日開催の公共事業評価に係る第三者委において「総合評価として、当該事業は新規着手の必要性が認められる」とする府の方針を示す考え。
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京都府丹後土木事務所は、関連業務を令和7年8月に開札。パシフィックコンサルタンツに決定した。予備設計を実施するもので、履行期間は210日間。