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建設経済新聞社
2026/03/02

【京都】二条城の二之丸御殿保存修理 4工区を3回に分け発注へ

 京都市は2月27日、令和8年度から令和41年度までを計画期間とする元離宮二条城二之丸御殿保存修理計画を明らかにした。
 市は、「世界遺産・二条城本格修理事業」として、第1期は唐門、築地、東大手門、番所(平成23〜平成29年度の7年、8億1000万円)、第2期は本丸御殿4棟(平成29〜令和5年度の7年、15億7000万円)の本格修理工事をこれまでに実施してきた。
 第3期となる二之丸御殿の保存修理工事は、これまで以上に大規模かつ6棟の国宝を含む建造物であり、相当の工事期間と事業費を要することから、修理概要や工事の進め方、スケジュール等を保存修理計画としてまとめた。
 工事範囲としては、二之丸御殿と二之丸北長押塀に囲われた範囲(二之丸御殿エリアの主要部)、二之丸北長押塀を超えた北側の一部及び重要文化財(建造物)西南隅櫓の北側を工事ヤードとして使用する。
 工事に必要な仮設物等は、▽工事事務所(@修理事務所A現場代理人打合せスペースB職工休憩所)▽工作小屋(作業場)(@木工事工作小屋兼保管庫A建具工作小屋)のほか、保管庫(資材置場等)。
 工事は4つの工区(@A工区(白書院・台所・御清所)AB工区(黒書院・蘇鉄之間)BC工区(大広間・式台)CD工区(遠侍及び車寄))に分け、公開に影響の少ない棟から段階的に進め、工事完了後の建物は順次公開し、公開範囲を可能な限り広く確保する方針。
 各工区の概要は(A工区)白書院・台所・御清所の保存修理工事を行う。ただし渡廊は、素屋根設置の支障になることに加えて、軸組の傾きや外装の劣化が激しいことから、工事の開始時に一度解体し、B工区完了後に復旧する(B工区)黒書院・蘇鉄之間の保存修理工事を行う。ただし蘇鉄之間は、B工区期間中に一部の修理を完了できないため、C工区でも一部の範囲を実施する(C工区)大広間・式台の保存修理工事を行う。ただし式台はC工区期間中に一部の修理を完了できないため、D工区でも一部の範囲を実施する(D工区)遠侍及び車寄の保存修理工事を行う。C工区からD工区へ移行する際は、C工区の素屋根材を転用する計画であり、素屋根の移行期間が含まれる。なお塀等の工事支障物復旧工事はD工区素屋根の解体後に行う。
 工事発注は、A、B工区を各1本の契約とし、CとD工区を合わせて1本の契約で行う計3回とし、回毎に入札を行い、工事請負業者を決定する。政府調達に関する協定(WTO協定)適用の競争入札及び総合評価競争入札に該当する。
 文化財建造物の修理工事では、工事中の解体後に明らかとなる事実も多くあり、文化財建造物の修理に精通した市職員(文化財建造物修理主任技術者)による設計・監理を的確に現場に反映できるよう、A工区・B工区の工事発注方式は、工事の施工のみを発注する方式(通常発注方式)が最適と判断している。
 C工区・D工区については、A工区・B工区での実績や工事規模等を踏まえ、その他の発注方式(設計・施工一括発注方式(デザインビルド)等)も含め、修理計画の見直しを行う際にあらためて検討する予定。
 全4工区(A・B・C・D)の全体工期は34年を想定。過去の実績から1工区あたり6〜9年の工事期間を見込む。
 1期のA工区は、令和9年度後半〜10年度第1四半期に発注準備、準備工事・素屋根設置を経て、11年度から工事を予定。事業期間は69ヵ月(令和10年7月〜16年3月)。
 2期のB工区は、令和17年度後半〜18年度第1四半期に発注準備、準備工事・素屋根設置を経て、19年度から工事を予定。事業期間は69ヵ月(令和18年7月〜24年3月)。
 3期のC工区及びD工区は、令和25年度後半〜26年度第1四半期に発注準備、準備工事・素屋根設置を経て、27年度からC工区、34年度からD工区の工事を予定。事業期間はC工区93ヵ月(令和26年7月〜34年3月)、D工区108ヵ月(令和33年4月〜42年3月)。
 概算事業費は200億円を想定。そのうち修理工事費は170億円を見込む(A工期40億円、B工期30億円、C・D工期100億円)。その他(公開活用費、設計費、防災施設整備費等)に30億円を予定。
 財源は基金に加え、国の補助金(事業費の約1/2)を充てる。
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 令和6年度委託の公募型プロポーザル「国宝(建造物)二条城二之丸御殿保存修理等基本計画策定業務委託」は竹中工務店京都支店(京都市中京区)が担当。
 令和7年度委託の公募型プロポーザルの「重要文化財(建造物)二条城二の丸御殿台所及び二の丸御殿御清所耐震調査診断等業務委託」は日建設計大阪オフィス(大阪市中央区)が担当。