大阪・関西万博を契機に大阪府内のまちづくりが加速する一方、大阪府が進める大規模建設事業や府営住宅の活用地売却の入札不調が続くなどの課題が顕在化している。一級建築士の視点で再開発や街づくりをサポートし、堺市をはじめとする地域のまちづくりに貢献する大阪府議会の奥村ユキエ議員に、万博が地域にもたらした影響や府議会議員としての取り組みなどを聞いた。
―府議会議員を目指したきっかけは。
「東京で建築設計の仕事をしながら大阪に帰るタイミングを見計らっていた時に、万博を大阪で開催することが決まった。大阪に戻り建築士として万博の仕事に関わりたいと思ったが、国の事業であるため、特に設計などの仕事はほとんどが東京で決まってしまう。そこで、行政側として万博や大阪のまちづくりに関わろうと決めた」
「万博の件もあり、主な機能が全て東京に集中していることが気になった。副首都構想を掲げる維新の会に所属し、一極集中を是正し地方に活力を与えたいと考えている」
―万博が堺市に与えた影響は。
「開催に向け、堺港を含む大阪湾エリアの港湾施設で岸壁などが整備された。万博会場へのアクセス向上が図られにぎわいができたので、今後のまちづくりが期待できる。また、堺市は、開発が活発な北・堺区と市街地調整区域が多い中・南区で地域格差がある中、万博でさまざまなイベントを開き一体感がでたと感じているので、これを契機に市全体で盛り上がりを見せてほしい」
―堺宮園住宅活用地の売却は4度目の募集が開始されている。
「25年9月議会の都市住宅委員会で質問と要望を述べた。特に府有地の活用地創出では、行政が考えるまちづくりと民間の考えるまちづくりがマッチしていないと感じる。現在募集している活用地と隣接する活用地をまとめて募集したり、今後活用地となる予定の土地の用途を決めてから募集したりするなど、民間事業者に寄り添った方法を府と一緒に考えていきたい」
―府が発注する大規模事業でも、入札不調が続いている。
「建設業は特に、人材不足とあらゆるコスト上昇に直面している。公共工事はインフレスライド制度もあるが、基本的には決まった予算・工期で全てこなさないといけないことや、働き方改革に対応しきれない業者も多いことが課題だろう。大阪府では今後、多くの施設が建て替え時期を迎えるため、安心・安全の確保のためにも地域の建設会社の皆さまにはご協力いただきたい」
―今後注目する事業は。
「新大阪駅周辺の開発に働きかけたい。27年度までの期間で都市再生緊急整備地域に指定されていることを踏まえて、大阪府、大阪市、民間で早急にまちづくりを加速させていく必要がある。民間を動かしていくための働きかけをすることが、官の役割だと思っている」
※写真は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社