京都府は、流域下水道の維持管理と更新に係る業務を一体的に実施する包括業務委託(管理・更新一体マネジメント方式)「ウォーターPPP(W−PPP)」の検討を進めており、令和8年度にスキームの業務内容を定め、9年度に入札公告を目指す。
京都府流域下水道事業経営審議会の第2回下水道管理のあり方検討部会を宮津湾浄化センターで4日に開き、検討中のスキーム案について報告した。
令和7年10月開催の第1回部会で、W−PPP導入検討の進め方を報告。北部圏域連携は「宮津湾流域下水道+関連公共下水道(処理場+ポンプ場+管路施設)」、南部管渠連携は桂川右岸流域下水道+周辺公共下水道(管路施設)を想定。「地元企業が参画できる形を考えるべき」「民間企業の参画意欲が高まるような事業規模を考えるべき」などの意見があった。
第2回部会では、北部圏域連携を中心に、スキーム案の検討及び進め方について報告。市町の意向、地元企業等の関与の整理、市場性の確認、府の方針等を踏まえ、対話などを繰り返しながら、効果が見込まれる内容となるよう検討(VFM等)を行い、段階的に固めていく方針が示された。
主なスキーム案(現時点版)をみると、[運転管理](スキーム案の考え方)▽処理場の運転管理は現状包括委託していることを踏まえ、W−PPPのスコープに含める▽マンホールポンプの運転操作は現在の契約を踏まえ、要調整▽マンホールポンプのユーティリティ(電気等)についてはスケールメリットや事務作業の軽減等につながると考えるため、W−PPPのスコープに含める、(留意点)▽処理場およびポンプ場と管渠を一体とすることについては、関心を示している企業もいくつかあるため、引き続き一体で検討を進める。今後、民間企業との勉強会で関心を確認する予定。
[計画的維持管理、保守管理](スキーム案の考え方)▽管渠の維持管理は、スケールメリットが期待できると考えるため、W−PPPのスコープに含める▽処理場及びポンプ場の維持管理は、現在包括委託していることを踏まえ、W−PPPのスコープに含める▽マンホールポンプの維持管理は、現在の契約状況を踏まえ、要調整。(留意点)処理場及びポンプ場と管渠を一体とすることについては、関心を示している企業もいくつかあるため、引き続き一体で検討を進めるが、引き続き民間企業との勉強会等で関心を確認する予定。流域下水道の管渠と公共下水道の管渠では、管径が異なり、調査に必要な機材も異なるため、民間企業の意向を引き続き確認する。
[施設整備・改築業務](スキーム案の考え方)▽改築設計・工事については、スコープに含めるか検討中であり、民間企業等との勉強会の際には、これらを含めることについて、企業等の意見を聞く予定。
地元企業の活用については「地域の上下水道の実情・周辺状況を熟知している地元企業は、上下水道の持続性向上の観点から、W−PPPとの関係でも重要な存在」「地元企業が参画しやすい制度設計を図る」とし、類似・先行事例を踏まえ対応案を整理するなどし、民間企業の意向確認・入札制度の研究を進め、対応方針を定めるとした。
スキーム案の磨き上げ、円滑に入札手続きを行うため、事業者勉強会やマーケットサウンディングの官民対話を繰り返し行う。
広域型W−PPPの共同発注については、協議会、連携協約、事務委託の3ケースを挙げ、各ケースのメリット・デメリットを整理し、関係市町と調整のうえ、方針を定める。
今後のスケジュールによると、北部圏域連携は令和7年度の対象施設の選定(詳細)を経て、8年度に簡易VFM、MSの実施、スキームの業務内容決定、8〜9年度に要求水準書の設計、9年度に入札公告、10年度に契約、業務の引継ぎを行い、11年度の施設管理業務着手を目指す。
南部管渠連携は、令和8年度に対象施設の選定(詳細)、簡易VFM、MSの実施、スキームの業務内容決定、9年度の要求水準書の設計を経て、10年度に入札公告、契約、業務の引継ぎを行い、11年度の施設管理業務着手を目指す。