建設コンサルタンツ協会近畿支部(白水靖郎支部長)と国土交通省近畿地方整備局は3月10日、大阪市内で意見交換会を行った。協会は、魅力ある業界を目指し、「成長と分配の好循環」を実現するため、「単価アップの継続」と「インフラ事業量の拡大(設計業務量の拡大)」などを要望した。技術者単価のアップにより、建設コンサルタント業界は賃金アップに取り組んでいるものの、全設計業務額が横ばいの状況で、人件費がアップし続けると業務件数が減少し、各企業の事業量拡大が困難になることを訴えた。近畿地整側は、約10年の間に、1業務当たりの発注金額は約2700万円から約4800万円に上がったが、本数が1500本から1100本に減ったことを説明し、「全ての事業者に仕事が行き渡らない状況にある。事業費を確保するために声を上げてほしい」と協力を求めた。
建コン協近畿はこの他に▽担い手確保・育成のための環境整備▽技術力による選定▽品質の確保・向上▽災害対応に向けた環境改善▽DX推進の環境整備―をテーマに設定。
意見交換に先立ちあいさつに立った近畿地整の野坂周子企画部長は、東日本大震災について触れ「日常のインフラの整備、管理を通じて災害対応力を考えていくことになる。意見交換で得られた意見を災害時の対応やインフラの整備に生かしていきたい」とあいさつした。また、白水支部長は「お願いするだけでなく、それに対して技術、仕事でお返しをしていきたい」と述べた。
建コン協近畿は、担い手確保・育成のための環境整備として、履行期限(納期)の平準化への取り組みの継続や平準化への取り組みに関する自治体などへの働きかけ、技術提案提出時期の分散、適切な経費計上を要望。近畿地整は平準化に関して、第4四半期の納期は削減されているとした一方で、「(その影響で)第3四半期に集中する傾向がある」と説明し、「(これらの影響によって生じる)新たな課題を教えてほしい」と前向きに取り組む姿勢を見せた。また、自治体の平準化への取り組みに関する働きかけについても「近畿ブロック発注者協議会などを通じて周知を図っていく」とした。
技術力による選定では、業務内容に応じた適切な発注方式の選定や地域コンサルタントの活用の拡大と育成、計画系プロポーザル業務の業務規模の改善、企業の多様な取り組みを評価する仕組みづくりを要望した。地域で活動するコンサルタントの活用の拡大について近畿地整は、業務チャレンジ型の評価方法を見直して対応していくことを伝え、改定した結果を注視していくと述べた。
品質の確保・向上に関しては、特記仕様書における修正設計内容の明示や三者会議の適切な報酬、納品後のアフターフォロー、品質向上を目指した近畿支部各種活動への協力の継続などを要望。三者会議に際して、準備・資料作成の報酬が受けられないケースがあることについて近畿地整は、「随意契約で支払うので、申し出てほしい」と適切に対応する旨を伝えた。
意見交換を終えて野坂企画部長は「われわれが未来に何を提供していくのかについて国民の共感を得られる形で提示していくには、皆さんの高度な力を貸していただくことが大切だと感じている」と期待を込めて総括した。
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