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建通新聞社四国
2026/03/13

【愛媛】工事検査を遠隔臨場へ 県が試行要領案

 愛媛県は、「遠隔臨場による工事検査に関する試行要領(案)」を取りまとめた。建設現場の効率化と働き方改革を推進するため、ウエアラブルカメラなどを用いた遠隔臨場による「工事検査(完成、中間、既成部分検査など)」の本格運用を目指すもので、総務部(営繕工事)、農林水産部と土木部が所管する公共工事の工事検査について、4月1日から適用を開始する。なお、全ての検査を試行対象とするが、現場条件や検査項目の適用性を踏まえ、従来方法による現場実地検査の選択も可能としている。
 遠隔臨場は、スマートフォンやウエアラブルカメラを活用し、現場の映像と音声をリアルタイムで配信することで、監督員が事務所に居ながら「段階確認」や「立会」を行うシステム。県では、2021年10月1日から「建設現場の遠隔臨場に関する試行要領」を施行し、県発注の土木工事で試行を開始するなど、これまで「えひめ版ICT活用工事」の一環として取り組んできた。
 その結果、移動時間の削減や若手技術者の育成に効果があるとして、4月から検査項目を含めた運用を標準化させることにした。現時点では、まだ試行段階で今後も課題抽出などの検証が続くことになるが、これにより、これまで「段階確認」などに限定されていた遠隔臨場が、いよいよ「工事検査」の場面でも活用可能になる。
 遠隔臨場による工事検査は、監督員が検査員と試行の可否について協議・調整を行った後、受発注者間の書面協議により決定する。検査については、監督員が検査員と調整し、適用する検査項目(工事実施状況、出来形、品質や出来ばえの各検査項目)を選定し試行する=表参照。
 資機材については「原則、受注者が機器を手配・設置する」受注者負担の形式となる。ただし、これまでの建設現場の遠隔臨場に関する試行要領も引き続き運用されるため、受発注者間の協議でこれら資機材の利用が認められれば、新たな負担は通信費程度になる見込み。
 建設業界でも時間外労働の上限規制が適用されるなど、労働環境の改善が急務となっている。県は、この遠隔臨場の拡大により「現場での待ち時間」という目に見えないコストを削減し、県内建設業のDX(デジタルトランスフォーメーション)をさらに加速させる考えだ。

提供:建通新聞社