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北海道建設新聞社
2026/03/16

道内のガソリン価格が急騰/イラン情勢緊迫、1リットル190円台も

 イラン情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰を受け、道内のガソリン価格が急騰している。ホルムズ海峡封鎖で供給不安が広がり、レギュラー1ℓ当たり190円台のガソリンスタンドも出始めた。政府は備蓄放出などの対策を急ぐが、先行きが見通せない中、経済活動や市民生活への不安と懸念が急速に広がっている。
 資源エネルギー庁の石油製品価格調査によると、国内ガソリン価格は2025年末の暫定税率廃止で一時150円台まで下落していたが、2月28日の米国、イスラエルによるイラン攻撃で情勢が一変。週明けから原油先物相場が急騰し、国内の店頭価格も暫定税率廃止後は1円未満だった変動幅が、3月から数円単位で上昇し始めた。
 ■石油備蓄放出確実に実行へ
 戦争勃発を受けて、政府は激変緩和措置の実施や日本単独で石油備蓄の放出を相次いで表明。供給網の寸断を防ぐため、国際連携の正式決定を待たずに対策を急いだ。
 石油精製・元売り会社で構成する石油連盟は2日に対策本部を設置し、情報収集や関係省庁との連携を進める。木村皓介広報室長は「政府発表の通り、備蓄放出を確実に実行する。各社とも、安定供給を最優先に代替ルートを模索している」と説明。ホルムズ海峡の安全航行が早期確保されることを求めている。
 北海道石油業協同組合連合会の河辺善一会長は「30円近い店頭価格の値上げは記憶にない。今後の値動きが不透明なため、小まめな給油が最善策になる」と指摘。小規模販売店が抱える在庫は1−2日で入れ替わるため、上昇した価格がさらに浸透するとみる。
 ■胆振東部地震以来スタンド長蛇の列
 給油所や物流現場でも混乱が広がっている。11日は道内各地のガソリンスタンドで長蛇の列ができ、札幌市内のスタンド店員は「北海道胆振東部地震以来の出来事。来週の価格がどうなるのか説明できないのがもどかしい」と心境を語る。北海道トラック協会ダンプトラック部会の山下央部会長は、燃料費が一日1台当たり約2000円増加すると試算。「一部元売りで数量制限の動きもある。十分な燃料が確保できなければ動かせない」と危機感を示す。
 こうした動きはまず都市部を中心に発生。地方部や離島は週明けからの上昇が見込まれている。利尻富士町の担当者は「今は体感が全くないが、これから実感してくるのだと思う」と不安を口にする。
 ■建設業も懸念対策求める
 建設業界への影響も深刻だ。北海道建設業協会は、燃料費急増と資材コスト増の二重の負担を懸念。実効性のある対策を速やかに実行することを求めた。建設業の傍ら、ガソリンスタンドも経営する土屋工業(本社・網走)は「3週間連続で仕入れ値が上がり、トータルで31円の値上げ。現在は工事が少ない時期だが影響が心配。入札の最低制限価格の見直しを検討してほしい」と訴える。
 標津町の業者は、公共工事は設計変更で対応可能としつつも、技術者の通勤費負担が月40万−50万円増えると見込み、価格転嫁が難しい民間建築への波及を不安視する。
 西胆振管内の業者は、石油備蓄の単独放出方針を「対応が早かった。先の見えない状態が不安につながるため、最善のカードを切った」と評価する一方、中東情勢緊迫の長期化が輸送費や物価全体に関わると懸念。各界で事態の推移を注視する動きが強まっている。