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日本工業経済新聞社(埼玉)
2026/03/18

【埼玉】県と8者、下水道管路マネジメントの共同研究に関する協定締結

 県は10日、県下水道公社やNTT東日本を含む計8者と「下水道管路マネジメントの共同研究に関する協定」を締結した。八潮市で発生した下水道管路に起因する陥没事故の再発防止に向け、2028年3月31日までの概ね2年間をかけて共同研究を行う。まずは、点検・調査・補修・情報管理の「工程一体化DXモデル」を確立し県内での展開、標準化を目指し、その後、新たな維持管理手法を活用した「官民連携型工程一体化DXモデル」を全国に先駆けて推進、展開していく考えだ。
 八潮市内の道路陥没事故を受け設置した原因究明委員会の最終報告では「従来手法による点検・調査の難しさ」「点検・調査の品質確保」「下水道管路の推進管理を担う関係者間の情報共有や体制強化」などが重要な論点として整理された。
 一方で、下水道管路の維持管理に係る多くの工程では、危険作業や人手依存の状態が続いており、各工程における情報の品質低下や情報がつながりづらいといった状況がある。
 こうした状況を踏まえ、県は点検・調査から補修、情報管理までを一連の流れとしてつなぐ「工程一体化」の仕組みづくりを目的に、共同研究者を公募していた。
 今回の共同研究は大規模管路を対象とし、NTT東日本が全体を統括。下水道管路維持管理に関する専門技術を持つ各社が技術開発・検証を行う。各社が連携し各工程で発生する下水道管路全体のマネジメントに必要な情報をデジタルで接続することで、工程を一気通貫でつなぐ「工程一体化DXモデル」構築に共同で取り組む。
 これにより、点検・調査の効率化や補修判断の迅速化、補修時間の短縮が進み、維持管理が可能となる。さらに、デジタル化や予防保全への転換、県民向けの可視化、異業種企業の協働による横断的な課題解決などにより、社会的コストの低減や地域全体の安全・安心の向上に寄与する自治体インフラ管理の新たな維持管理モデルとなることが期待される。
 共同研究では、下水道管路内の3D点群データ化やAIによるひび割れ・腐食などの自動検知および点検・調査、補修、情報管理をつなぐデータ連携とマネジメント手法の検討や、ドローンを活用した安全・効率的な下水道管路内点検・調査、撮影条件の仕様化検討のほか、補修技術開発、県民への見える化をテーマとして掲げている。
 協定締結に対して大野元裕知事は、道路陥没事故を受け下水道管路に対する、さまざまな課題が明らかになったことを踏まえ「わが国では管路の点検を行ったり、空洞などを検知したり、仮に見つかったとしてもそれを抜本的に補修する技術が存在しない」とし「課題を解決していくためには、新たな技術を確立していく必要がある」と共同研究の意義を強調。続けて「県としては、新たな技術を確立し、県民、国民の皆さまに安心していただくために、限りなく努力を払っていく決意をしたところ。今回協定を締結した各者の知見をしっかりと生かさせていただき、将来の安心安全のために、役立てていきたい」と意気込みを語った。
 共同研究の締結者については、県および県下水道公社のほか▽NTT東日本▽NTT e-Dr one Technology▽NTTインフラネット▽国際航業▽染めQテクノロジィ▽日特建設―となっている。

提供:埼玉建設新聞