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建設経済新聞社
2026/03/17

【京都】水道・下水道の今後の施設整備方針 松ケ崎浄水場の導水施設更新など盛る

 京都市上下水道局は16日、今後の施設整備の方向性案(水道事業・下水道事業の今後の整備方針)を明らかにした。
 方向性案は上下水道事業審議会に示した。
 水道事業の今後の施設整備の方向性案によると、[取水・導水施設]は▽老朽化対策(更新)とあわせ、全ての取水・導水施設の耐震化に向けた施設整備を推進(新山科浄水場に続き、松ケ崎浄水場の導水施設の更新・耐震化を実施。既設の導水施設とは別ルートを検討)▽(導水施設(新山科浄水場導水トンネル築造工事)の新設後、)既存の導水施設の補強・補修を行いバックアップ機能を確保、[浄水場]は▽浄水場の大規模更新(再整備)や災害時にもバックアップ機能の観点から、今後も3浄水場体制(市街地)をベースとし、強靭な水道システムを構築▽そのうえで、今後の給水量の減少を見込み、大規模更新のタイミングで浄水場の施設能力を適正化▽臭気物質への対応等の最適な浄水処理方法に関する検討結果をまとめ、大規模更新にあわせて施設整備に反映、[送水・配水施設]は▽残存する初期ダクタイル鋳鉄管を含めた次期の更新対象管(主に昭和時代に布設された配水管)を選定し、漏水リスクが高く、断水や漏水時に社会的影響が大きい管路の更新・耐震化を優先的に実施▽急所施設や重要施設に接続する管路等は計画的に耐震化を推進▽主要な配水管の更新に際しては、水道管路網のネットワーク化を図ることでリダンダンシーの維持・強化を図る。リダンダンシーを考慮しつつ、水需要に応じ、可能な範囲でダウンサイジング(管の縮径等)を行うことで事業費の縮減に努める▽多様な環境データとAI技術を活用した評価手法等を用い、更新優先度の順位付けの高度化を図る。
 下水道事業の今後の施設整備の方向性案によると、[下水道管路]は▽老朽化した管路の増大に備え、管路の点検をこれまで以上に充実し、状態把握する範囲を拡大▽点検に際しては、高画質管口カメラで撮影した管内写真をAIにより劣化判断する技術など、効率化のため、新たな点検手法を積極的に導入▽特に破損等のリスクが高い旧規格の管路の調査・改築更新をスピードアップ▽全国特別重点調査、措置が必要となった要措置箇所について、国の目標年度である令和12年度までに健全性を確保▽更新の優先度の高い重要管路(〇下水処理場(水環境保全センター)〜処理場直前の最終合流地点までの管路〇管径2m以上の大口径管路〇緊急輸送路下、軌道下、河川下の管路)について、計画的に改築更新を実施▽重要管路のうち、維持管理や改築更新が容易でない路線は、リダンダンシーの確保等の観点から、連絡管やバイパス管を整備(二条化)、[浸水対策]は▽これまでに浸水実績が無い箇所を含めた市内の雨水排水能力を評価し、潜在的に10年確率降雨に対応しているエリアを抽出▽(上記の)評価結果を踏まえ、浸水が残る箇所の局所的な対応を実施(雨水管の増設や側溝の改良による排水能力の向上等)▽気候変動に伴う大雨の増加に対して、雨に強いまちづくりの取組をはじめとした関係部署が連携したハード・ソフト対策を充実▽リダンダンシーの確保やメンテナビリティ向上の観点から、整備を行う連絡管やバイパスについては、気候変動に対応した浸水対策としての活用を検討、[水環境保全センター]は▽新たな流域総合計画(大阪湾の「豊かな海」への転換)や人口減少を踏まえ、設備更新や施設改築に合わせて「高度処理」から「標準的な処理方式」へ順次変更。一方で、「標準的な処理方式」へ変更後も、水道水源に配慮した水処理(硝化促進運転)を継続的に実施▽今後の汚水量の減少、雨水量の増加を見据えた計画的な再構築(ポンプ施設の増強、水処理施設と汚泥処理施設のダウンサイジング)▽水環境保全センター全体の再構築には膨大な事業費と年数が必要となることから、地震時においても最低限の処理を継続させる施設(揚水・沈殿・消毒)を明確化し、優先して耐震補強を実施。
 上下水道事業審では、財政基盤の強化に向け、将来にわたり持続可能な財源の在り方についても議論した。
 下水道事業の企業債活用について、「近年の建設投資額が過去の投資規模と比べて低く抑えられていることから、企業債残高は減少傾向にある。そのため、企業債に関する経営指標は他都市と比べて良好といえる」とする一方、「今後、事業費が段階的に増加していくことや、金利上昇傾向にあることを踏まえると、企業債発行や残高の水準など企業債活用の在り方の検討が必要」とした。
 資産維持費(水道施設の計画的な更新等の原資として内部留保すべき額)について、「現ビジョン(平成30〜令和9年度)では、今後増大していく管路や施設の改築・更新等を進めるにあたり、将来世代に負担を先送りしないよう、現行使用料水準のもと、大規模更新に備えた建設改良積立金を確保することを味性目標とした」「しかしながら、昨今の人口減少、物価や金利の上昇が収支に与える影響は大きく、建設改良積立金の確保が困難になっている(令和14年度には確保できなくなる見通し)」「今後、事業費が段階的に増加する見通しや、さらなる人口減少が進む中で、持続可能な事業運営を行うために建設改良積立金の在り方の検討が必要となっている」等とした。