神奈川県は、神奈川県水防災戦略に基づく風水害の被害軽減に向けたハード・ソフト対策を推進するため、2026年度からの5カ年で計4402億円を投じる。2級河川柏尾川をはじめとする遊水地の整備など大規模河川事業の他、老朽化した護岸の補修や堤防の嵩上げ、急傾斜地や道路斜面の対策を進める方針だ。26年度の事業費は875億円で、このうちハード対策には804億円を確保する。
神奈川県水防災戦略は、令和元年東日本台風による被害を受けて20年2月に策定。現行の戦略は23年3月に改定しており、台風や豪雨による洪水、土砂崩れなどの被害を軽減するための対策に23年度から25年度までの3カ年で計2142億円を投じる計画だった。県内でも24年8月の台風10号で浸水被害が発生するなど風水害が激甚化・頻発化している状況も踏まえ、本年度末までに戦略を改定し、対策を強化する。
戦略に基づくハード・ソフト対策の事業費は各年度で平均880億円、5カ年で計4402億円の規模となる。河川では恩田川や小出川、柏尾川の遊水地や矢上川地下調節池など事業中の大規模事業を推進するとともに、老朽化した護岸の補修や堤防の嵩上げ、堆積土砂の撤去などを行う。
住民からの要請が多い急傾斜地崩壊対策については、計画期間中に105カ所程度の概成を目指す。小田原海岸、茅ケ崎海岸、鎌倉海岸などでは引き続き海岸保全施設の整備や養浜などを進める。防災点検で対策が必要と判明した道路斜面については緊急輸送道路で災害時の孤立が懸念される地域や、高速道路につながる区間を優先して対策工事を行う。
戦略に示したハード対策に関する26年度の予算額(25年度2月補正も含む)は次の通り。
▽遊水地や流路のボトルネック箇所などの整備―240億円
▽河川の防災対策(老朽化護岸の補修、堤防の嵩上げ、堆積土砂撤去など)―69億円
▽土砂災害防止施設の整備(急傾斜地崩壊対策、砂防堰堤の整備)―114億円
▽治山施設・林道施設の整備・強靱化―28億円
▽農業水利施設などの整備・強靱化(農業用排水路の改修や長寿命化、農道の整備など)―18億円
▽海岸保全施設などの整備(護岸の整備、養浜による浸食対策など)―29億円
▽漁港、港湾施設などの防災機能の強化(漁港施設の整備、老朽化対策など)―4億円
▽道路の防災対策の充実・強化(緊急輸送道路の斜面の対策、道路ネットワークの整備、橋梁の補強など―297億円
▽県有緑地の防災対策の強化(斜面対策、危険木の伐採など)―6000万円
▽県営水道施設の災害対応力の強化(非常用発電設備の設置、ポンプ所受電設備の更新など)―2億円
▽流域下水道施設の耐水化(下水処理施設の止水版の設置など)―3000万円
提供:建通新聞社