JR東海は3月26日、2026年度の重点施策と、関連する設備投資計画を発表した。連結の設備投資額は前年度計画比5・8%増、金額では430億円増となる7780億円。単体では7・8%増、520億円増の7180億円となった。連結では1999年度以降、過去最大。単体では会社発足以来2番目の規模となっている。鉄道やリニア中央新幹線計画など、交通系に関する投資が軒並み増額となった。
【リニア関連は170億円増】
設備投資のうち、リニア中央新幹線への設備投資額は3670億円。前年度から4・8%増、金額では170億円の増額となった。用地取得の他、山岳・都市部トンネルや駅整備など、土木を中心とした各種工事を進める。また、品川〜名古屋間の総工事費が増加する見通しとなったことを踏まえ、プロジェクト管理機能を強化。未着工となっている南アルプストンネル静岡工区については、引き続きトンネル掘削工事の早期着手に向け「地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯(しんし)に取り組む」とした。
中央新幹線を除いた設備投資額は、11%増の3510億円。このうち安全関連投資には、前年度計画から14・5%増の2440億円を充てた。この中で、重点施策の「安全・安定輸送の確保」に充てる投資額は、12・5%増の1700億円。例年通り、地震など自然災害への対策に取り組む。具体的には、東海道新幹線への脱線防止ガードの敷設、プラットホーム上屋の耐震補強や鉄道設備の浸水対策など。半田駅と沼津駅付近の連続立体交差化に向けた工事も進めるとしている。
「輸送サービスの充実」には、前年度から14・6%増の860億円を充当。東海道新幹線では、全駅への可動柵設置に向けた設計を進めるとともに、自動運転の導入に向けて定位置停止制御の全駅・全営業列車での運用を開始する。在来線に関しては、名古屋駅2番ホームへの可動柵設置に向けた設計を進める他、刈谷駅におけるホーム拡幅と可動柵の設置を行っていく。
【不動産投資は減額】
「グループ事業の推進」への投資額は620億円。前年度から5割近い伸びを見せていた24年度、25年度から一転、10・7%の減額となった。主な要因は、不動産事業における投資計画の減額。新年度は、JRセントラルタワーズやJRゲートタワーなど駅ビルの収益力強化に取り組むとともに、東京駅や名古屋駅をはじめとした駅商業施設の拡張・リニューアルなどに取り組むとした。
その他の重点施策では、「超電導リニアの技術開発によるコストダウンおよびブラッシュアップ」に175%増の110億円を充て、営業車両の仕様選定や、ICTを活用した運営体制の構築やAIによる分析システムの改良・実証などを図る。「営業施策の強化」は47・2%減の190億円。「技術開発の推進、高速鉄道システムの海外展開」には、例年と同じく5億円を投入する。水素動力車両(燃料電池車、水素エンジン車)に関する開発を進める他、防音壁へのペロブスカイト太陽電池の適用の検討などに取り組む。その他、アメリカにおける高速鉄道プロジェクトに取り組むとした。
提供:建通新聞社