神奈川県が2019年度から25年度にかけて砂防関連施設の点検を実施したところ、砂防堰堤886基のうち約2割が機能低下などが懸念される「健全度C」に該当することが分かった。この他、渓流保全工は297の渓流のうち約4割、急傾斜地崩壊防止施設は1468区域のうち約1割で健全度Cの施設があり、対策が必要と判断された。施設ごとに優先順位を設定した上で、点検や修繕などの対策を進める。
県の砂防関係施設長寿命化計画を改定し、25年度までの点検調査結果を反映した。改定に当たっては国が22年3月に改定した「砂防関係施設の長寿命化計画策定ガイドライン(案)」を踏まえ、維持管理に「予防保全型」の考え方を導入、新技術の活用に関する数値目標も明記した。
計画の対象となるのは砂防堰堤、渓流保全工、地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設。県が19年度から25年度にかけて点検を行い、健全度A(対策不要)、健全度B(経過観察)、健全度C(要対策)の3段階で評価した。
砂防堰堤は886基のうち182基が健全度C。この他の三つの施設は区域内にある最も健全度が低い施設を評価し、渓流保全工は297カ所の渓流のうち133カ所、地すべり防止施設は17区域のうち16区域、急傾斜地崩壊防止施設は1468区域のうち146区域で健全度Cの施設があった。
健全度Cの施設は保全対象への影響、施設の重要度、土砂災害の危険性などを踏まえて優先順位を設定し、修繕や改築、更新などの対策を順次実施していく。
併せて、定期的な点検で施設の状態を把握する。砂防堰堤や渓流保全工の健全度Cは石積み構造の基幹堰堤が1年に1回、これ以外が5年に1回、急傾斜地崩壊防止施設の健全度Cは5年に1回または2年に1回といった健全度に合わせた周期で行う。
新技術の導入については、砂防堰堤のうち健全度Aに該当する347基で、従来の徒歩による目視に代えてUAVを活用することを目標とした。
急傾斜地崩壊防止施設では、1000平方bを超えるモルタルまたはコンクリート吹き付け工約7カ所でUAVにサーモグラフィーを搭載、撮影する調査方法を導入する。
砂防堰堤の健全度C約16基には水通し部に耐摩耗性、耐衝撃性に優れたラバースチール工法、急傾斜地崩壊防止施設のうち吹き付けモルタル工法の法面約7カ所には「のリフレッシュ工法」の活用を目指す。
提供:建通新聞