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西日本建設新聞社
2026/04/07

【熊本】多様性のある会社づくり ライト設計(熊本市中央区)

 熊本県男女共同参画推進事業者表彰を2月、ライト設計(熊本市中央区)が受賞した。建設業界の働き方改革が進む中、設計事務所においても人材確保やAI導入、労働環境改善などが課題となっており、性別に関係なく適性や能力に応じた人材の登用は、事業所のイメージを向上させ優秀な人材の確保にも繋がる。共同代表を務める今坂賢典代表取締役CFO(最高財務責任者)は、「多様性のある会社づくり」を目指すとともに、閉ざされがちな設計事務所の姿をSNS等で広く発信し、業界に人を呼び込む施策を展開している。

■子育て世帯率45%法上回る制度に

 同社は男性18人、女性13人で平均年齢は39歳と若く、18歳までの子どもを育てる「子育て世代率」は45%に上る。そのため、「子の看護等休暇は中学校卒業まで」「短時間勤務は子が8歳未満まで」に延長し、法定を上回る両立支援制度を整えた。
 更に、看護等休暇は無給だと経済的負担を伴うため、有給の特別休暇として子ども1人につき年5日間を付与する。子育ての状況に応じて活用できる短時間勤務は、通勤時間等を考慮して5、6、7時間から選べ、現在、女性3人が取得している。
 今坂CFOは「看護等休暇は時間単位での取得が可能で、男性も取得でき、予防接種の付き添いなどでも構わない。短時間勤務も希望すれば男性でも可能だ」と柔軟な姿勢を見せる。

■多様性ある会社づくり

 制度の充実は、子育て世代への支援だけではない。建築士の資格更新費用やCPD費用は会社が全額負担するほか、65歳の定年を過ぎても、再雇用により年齢を問わず働ける環境を整備した。
 従業員のウェルビーイング(良好な状態)と超長期キャリア形成を後押しすることにより、現在では、高度人材の外国人や、10年前に退職して戻ってきた社員、ゼネコンからUターンした社員、71歳のベテラン社員など、様々な人材が活躍している。男女共同参画に限らず「多様性のある会社づくり」に繋がっている。

■場所を選ばない柔軟な働き方

 「場所を選ばない働き方」への移行も速かった。今坂CFOは「以前から社外でも業務ができる体制を整えていたことが、コロナ禍でのスムーズなテレワーク移行に繋がった」と振り返る。
  その中核を担うのが、自社開発アプリを備えた「kintone」ポータルサイトだ。設計から管理、会計に至るまでの全ての業務をクラウド化・ペーパーレス化した。BIMなどの新ツールと合わせ、場所を選ばない柔軟な働き方を実現している。県内設計事務所での完全ペーパーレス化は珍しいという。
 全社員にパソコン、スマホ、タブレットを貸与し、スケジュールや日報、物件関係、外注の稟議関係、報告書、在宅勤務申請、決裁まで完結できる。また、打ち合わせの録音データはAIツールで即座に議事録化し、全社で共有する仕組みも構築済みだ。

■SNS駆使し情報発信

 こうした取り組みの結果、2021年度から新卒定着率は100%を維持し、23年2月からは離職者ゼロを更新中だ。
 求人にあたっては、ホームページを刷新しSNSによる情報発信を始めた。作品を紹介するだけの自社ホームページに違和感を覚え、「今はそういう時代ではない。社内のいろんなことを知ってもらい、うちで働くイメージが湧くように、まずは問い合わせがくるような仕組みをつくろう」と、今坂CFO。こうした取り組みにより、特に女性からの問い合わせが急増した。
 女性の健康経営推進員と保育士の資格を持つ松尾眞美子総務部主任は、良好な定着率について「共同代表(佐藤健太郎CTO、今坂CF0)が若く、非常に風通しが良い。先日も社員が長期休暇を取得してヨーロッパ旅行を楽しみました。チーム制でプロジェクトを進めているため、誰かが抜けてもカバーし合える雰囲気ができています」と笑顔で話す。

■業界に人を呼び込む

 「まずは業界に人を呼び込みたい」と今坂CFOは力を込める。「10年、20年、100年後を見据えて生き残るためには、時代に順応し成長し続けなければならない。そうでなければ人材不足や経営難に陥る」と警鐘を鳴らす。
 健康経営優良法人や熊本県ブライト企業、熊本県SDGs登録事業者、熊本市子育て支援優良企業なども取得し、時代が求めるニーズに応えてきた。常にアンテナを張り巡らせ、挑戦を続けている。

提供:西日本建設新聞社
公式フェイスブックページ:「記者 建設探訪