兵庫県加西市と兵庫県は、県内では初めて区域区分(市街化区域と市街化調整区域)を廃止した。4月6日に行われた共同記者発表の席上、「働き方や暮らし方の変化に即した柔軟な土地利用を図り、持続可能なまちづくりを目指す」との方針を示した。兵庫県内ではこの他に西脇市と加東市が加西市と同様に区域区分の廃止に向けた検討を県と進めている。
兵庫県はスプロール化を防止するため、1970年から神戸、阪神間、東播、中播、西播都市計画区域で区域区分を指定して土地利用を進めてきた。2021年度には市街化調整区域での地域の活性化などの課題に対応するため、土地利用推進方策について検討を開始、22年度には「区域区分見直しの考え方」を策定した。これを受けて廃止の意向を示した加西市と共に、区域区分廃止による影響調査や新たな土地コントロール手法の検討などを行い、24年9月に加西市域の区域区分を廃止する方針を決めた。
廃止された旧市街化調整区域には、市が独自に設定した「集落系」3種類、「工業系」2種類、「観光系」、「拠点形成系」、「公共公益系」、「保全系」2種類の計10種類の「特定用途制限地域」を設け、地域の特性やまちの将来像に合わせて建築できる建築物の種類や規模など定め、きめ細かな土地利用誘導を図っていく。
兵庫県・加西市共同記者発表の冒頭、齋藤元彦兵庫県知事は「区域区分の廃止により、地域の土地利用に関するさまざまなニーズに対して機動的に柔軟な対応が可能となる。地域のことをよく理解している地元が土地利用をコントロールすることが大切だ」と意義を強調し、「北播磨地区は、市街化調整区域が多い。また、高速道路も近くにあり、元気なモノづくりの企業も多いことから、加西市の取り組みに注目している」と今後の水平展開についても期待を示した。
続いて加西市の橋晴彦市長は、「市主導の新たなルール作りへの大きな転換点だ。規制を撤廃し、自由に任せるのでは無秩序な開発の恐れがある。豊かな自然環境や優良な農地は保全し、調和の取れたまちづくりが必要だ。これを機に未来を見据えたまちづくりを加速させたい」と今後のまちづくりを展望した。
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