東北地方整備局は、船川港港湾メンテナンス事業を今年度から新規事業化した。船川港本港地区・−10m岸壁を耐震化するもので、通常であれば港湾管理者である県が事業を行うが、令和7年に改正された港湾法に基づき、高度港湾工事の代行事業として国が整備する。事業期間は今年度から12年度の5年間。今月20日に公告予定の実施設計において施工方法を検討する。年度後半には岸壁改良に着工する予定で、当初予算では2億円が配分されている。
船川港本港地区の岸壁改良は、6年元日に発生した能登半島地震を受け、船川港本港地区の−10m岸壁(L185m・15,000t)を取付部(L15m)も含めて耐震化するもの。同岸壁はJR男鹿駅から南側約1kmの位置にあり、建設から50年以上が経過。隣接する−8m岸壁(L145m・7,000t)の2バースはクルーズ船でも利用されている。能登と同様、半島となっている男鹿エリアは、地震で被災した場合に陸路が寸断される可能性があるため、老朽化対策・改良による耐震強化を行い、大規模地震災害時における緊急物資の海上輸送拠点として利用できるよう備える。
港湾法は、能登半島地震で陸路が寸断され、港湾施設の応急復旧資材の調達などに困難が生じたことから「緊急物資等の輸送拠点としての機能を速やか・確実に確保するための体制構築」、中小港湾管理者の技術職員不足が深刻化し港湾インフラの機能確保に係る工事実施が困難な状況を踏まえた「サポートする仕組み」などが必要として、7年7月に改正された。改正にあわせて、港湾管理者の要請に基づく国の高度な技術等を要する港湾工事の代行制度が創設され、本港地区・−10m岸壁の耐震化では、港湾管理者である県ではなく、国が補修・改良を行うことが可能になった。
事業化に向け、7年度には土質調査を実施し、船川港本港地区岸壁機能強化検討業務(基本設計)を日本港湾コンサルタント・沿岸技術研究センター設計共同体に委託。実施設計の基礎資料とするため、アルファ水工コンサルタンツで現地調査も実施している。
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秋田建設工業新聞社