藤里町生活環境課は、8〜17年度の10年間を計画期間とする水道ビジョンを策定・公表した。人口減少による水需要の減退、施設の老朽化による更新投資の増大、自然災害への備えなど、水道事業を取り巻く環境が厳しくなっていることから、持続可能な水道サービスの基盤強化に取り組むため旧ビジョンを見直し、方針を定めた。今年度は耐震診断の対象施設、耐震管による管路更新の実施箇所、藤里水源地の電気設備更新などについて検討する。
法定耐用年数で水道施設を更新した場合、令和21年〜25年の5年間に更新需要が最も集中し、平成11年に整備された米田地区の管路更新がこの期間に集中する。また、5年間の平均更新需要は7億円と見通している。更新時期が集中すると建設改良費が増大し、財政的な負担も大きくなるため、ビジョンでは施設・管路の延命化を考慮した更新基準年数を設定。更新基準年数に基づき更新した場合は、需要の集中が緩和され、5年間の平均更新需要は3.6億円まで縮小すると見込まれている。
同町にある水道施設のうち、取水水源施設は6カ所(藤里、矢坂、米田、一の渡、中通、真名子水源地)で、4か所は浅層地下水、2か所は湧水を利用。このうち藤琴にある藤里水源地(浅層地下⽔、取⽔可能量2,790㎥/日、計画取⽔量1,036㎥/日)では、9年度に電気設備更新を計画。今年度に実施に向けた検討を進める。
浄水場は藤里、矢坂、米田、一の渡、中通、真名子の6カ所があり、このうち真名子(昭和45年建設)は管理棟の経過年数が法定耐⽤年数の50年を超過している。また、藤里、一の渡、中通の3カ所も昭和54〜57年の建設から40年以上が経過し、経年化が進んでいる。配水池12カ所についても浄水場と同時期に建設されたものが多く、同様の状態となっている。
これらの状況を踏まえ、町は地震発生時にも水供給が維持できるよう、浄水場や配水池など主要施設の耐震性能を評価し、補強工事を計画的かつ段階的に進める方針。今年度は耐震診断の対象施設を検討。9年度に実施する耐震診断の結果を踏まえ、10年度に更新計画を策定する。
管路の耐震化・老朽化対策には、7年1月に策定した上下水道耐震化計画も踏まえて着手する。同計画では、防災拠点となる町役場などに接続する上下水道管路を優先的に耐震化するとしている。今年度は更新対象管路などの検討を行い、9年度から更新に着手。交付金の活用により計画的な耐震化を行い、11年度までに重要施設に接続する配水管の耐震化率を35%にしたい考え。また、老朽化した管路による漏水や破断を防止するため、長期更新計画を策定し、漏水調査と連携して管路更新を進める。
提供/秋田建設工業新聞