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北陸工業新聞社
2026/04/20

【富山】課題は「人材の確保と育成」/雇用実態・経営状況調査結果/県建設業協会

 富山県建設業協会は17日、2025年度「建設業の雇用実態と経営状況に関する調査報告書」をまとめた。
 建設業界の雇用改善や若手技術者・技能者の入職と定着を促す方策を検討する基礎資料として、毎年調査している。
 調査項目は(1)対象企業の概要(2)雇用関係(3)給与・賞与、賃上げ等(4)休日数・休日制度(5)下請・専門工事業の人手不足(6)完全週休2日制工事の推進(7)時間外労働の上限規制(8)工事書類スリム化ガイド(富山県土木部版)(9)経営状況(10)経営環境の見通し(11)発注者の対応(12)今後の建設業のあり方(自由回答)−の12点。
 全会員企業507社を対象として、25年9月9日から10月31日に調査し、387社から回答を得た。回答率76・3%。
 報告書の総括では、これまでの調査と同様、県内建設業にとって「人材の確保と育成」が非常に大きな課題であるとし、社会資本の整備はもとより、次世代への技術継承は、県内のインフラの維持・管理を持続するためにも重要と指摘。特に今回の調査では、専門工事業の人手不足がクローズアップされ、給与や休日、労働時間といった就労環境の改善をより一層進め、若手の確保・育成、定着につなげる必要があるとしている。
 給与の改善では、企業の自助努力と併せて、発注機関による適正な利益が確保できる工事価格の設定、十分な工事量の確保などが求められると主張。発注機関においては、実勢価格を予定価格に速やかに反映できる体制づくり、単価の変動に対するスライド条項の適用などの適切な変更対応が必要としている。 
 さらに、働き方改革を進める上で、完全週休2日制工事の拡大には、余裕を持った工期の確保が重要とし、公共だけでなく、民間の発注者にも理解を求め、改善を図る必要があるとした。

働き方改革推進へ工事書類簡素化を

 一方、建設業が若手入職者にとって魅力ある産業となるためには、長時間労働の是正や他産業並みの休日確保が強く求められるとした上で、長時間労働が生じる要因に「工事関係書類作成の負担」を挙げる企業が多く、工事書類のさらなる簡素化は、働き方改革推進の観点からも非常に重要な要素と強調。25年4月に「工事書類スリム化ガイド(富山県土木部版)」が策定され、現場での生産性向上、働き方改革に向けた取り組みが始まり、今後は県内各発注者へ広く普及することを期待したいとしている。
 また、建設業の重要性や仕事のやりがい、魅力等を社会に向け発信し、建設業のイメージアップを図り、入職希望者の増加につなげることも必要とした。頻発化・激甚化する自然災害に対して、応急対応等で地域の建設業が果たした役割を積極的に発信し、地域の安全・安心にとって建設業が欠かせないエッセンシャルワークであることを官民が連携しアピールすることも重要とした。
 建設業が将来にわたり「地域の創り手」「地域の守り手」の役割を果たすには、地域建設業が健全に発展できる環境が必要と説明。資材価格や人件費が上昇する中、地域建設業が地域経済を牽引するためにも各企業が安定した経営を維持し、将来に希望を持てる環境が必要であり、中長期的に安定した実質的な工事量の確保を行政に求めていきたいとしている。
 最後に、今後も業界と行政が中長期的な展望を共有し、これらの課題解決に取り組んでいくことが重要と結んでいる。

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