名古屋市緑政土木局は、東山動植物園全体のリニューアルを進めている。再生プラン第4期の2年目となる本年度は、アフリカゾーン・サバンナエリアの準備工を実施。2027年度には、同エリアの本工事に着手する見通しだ。同年度には、アジアゾーンで整備中のユキヒョウ・マヌルネコ舎がオープンする予定。「人と自然をつなぐ架け橋」となることを目標に、展示の魅力向上に向けた取り組みを続けている。
サバンナエリアは動物園内の北側に当たる北園エリア、旧・アフリカゾウ舎などがある区域に整備する。観覧ルートは区域外周を回る形で設置。動物の運動場と園路を同じ高さにすることで、来場者がさまざまな視点から動物を観覧し、大きさを感じることができるようデザインする。全体面積は約4・2f(うち平地部2・3f)。
現在は各施設の実施設計を進めており、本年度第2四半期には造成と擁壁などの実施設計、第4四半期には園路広場などの実施設計を、それぞれ公告する予定。施設は34年度までに順次オープンするとしているものの、整備スケジュールに関しては「調整中」とした。
アフリカゾーンではその他、コビトカバ舎を、サバンナエリアとアジアゾーンの間に位置するアフリカの森エリアに整備する。本年度中に設計をまとめ、27年度から3年間の工期で整備する計画。本年度第3四半期には、展示設計とグラフィック製作業務を一括して公告する見通しだ。
公園内南側の日本ゾーンでも、リニューアルが進む。本年度は同ゾーン内のトイレの改築を実施。タンチョウやニホンキジなど鳥類の展示施設の整備も計画されており、27年度以降の新築工事の発注を目指す。
一方、植物園では、世界の植物と文化ゾーンにある温室後館の建て替えが計画されている。本年度中に既存施設の解体に着手し、29年度の完成を目指す。新施設では熱帯地域の雲霧林(うんむりん)の木々に着生する植物や、アリと共生するアリ植物などを導入。展示の充実を図るとした。後館の南側に位置する温室前館は、1936年に完成し、国内に現存する最も古い公共温室。後館の完成後は、国の重要文化財にも指定されている前館との組み合わせが注目されそうだ。
その他、園全体で電力系統の再編やDX化を順次実施し、脱炭素にも取り組む方針。
東山動植物園は、2036年度に開園100年を迎える。27年3月からは開園90年事業として、1年間の継続したイベントを開いていく考えだ。今後の整備計画は未定としているものの、民間活力を導入した飲食・物販施設の計画も策定する予定としている。ただ、現在の第4期事業計画では、賃金や物価の高騰から想定全体事業費を約350億円から約420億円(うち第4期は約150億円)に増額した。物価上昇に歯止めがかからない現状、影響を最小限に抑えるためには、計画にのっとった確実な事業進行が重要だろう。
提供:建通新聞社