車両系建設機械(整地・運搬・積み込み・掘削用)の教習所として県東部地区で初となる外国人向けコースが4月に開設された。インドネシア語やタイ語、ベトナム語などに翻訳されたテキストを学科講習で使用し、学科試験も各言語で実施する。運営会社の三輪暁生社長は「外国人材の活用が増えており、活躍の場を広げる国家資格取得に対するニーズも大きい。一方で建設機械は重大災害に結びつくリスクが高く、講習内容をしっかり理解してもらうことが不可欠だ」と話す。
国内の建設業で働く外国人労働者数は2025年に20万人を超え、29年3月までにさらに育成就労外国人12万3500人、特定技能1号7万6000人を受け入れる方針も示されている。25年4月にオープンした静岡トレーニングセンターSUN(三島市)は、この4月から従来の車両系建設機械に加えて新たに小型移動式クレーン、不整地運搬車の技能講習を開設し、併せて車両系建設機械に外国人向けコースを設けた。学科講習や試験で対応する言語は英語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語、ミャンマー語。土木工事を中心に事業を展開する三輪建設(三島市)が運営している。
三輪建設は、15年から技能実習生の受け入れを開始。現在、技能実習生5人、特定技能外国人3人、技術・人文知識・国際業務労働者(技人国)1人の計9人が現場で活躍しており、建設部門の社員25人のうち外国人材が約3分の1を占める。国籍はインドネシア6人、ラオス2人、タイ1人と多岐にわたる。
外国人材が受講可能な教習機関の運営を目指すきっかけとなったのは数年前、技能実習生に玉掛けと車両系建設機械の資格を取得してもらうために、県内で唯一の教習機関である県西部地区の教習機関まで送り迎えや宿泊手配を行った経験だ。三輪社長は「自分が不便だと感じるのなら、同じように外国人向けの教習所がなくて困った思いをしている東部地区の建設会社も多いはず」と今後の需要もにらんで構想をスタートさせた。
技能講習に必要な重機や置き場はすでに所有しており、受講が多い4〜5月は建設業の閑散期なので、同社の熟練オペレーターが講師を務めることができることから、新たな設備投資や人材雇用なしに教習機関を開設できることが分かった。県外で同じように登録教習機関を運営している土木会社にノウハウを学びながら、25年4月に教習機関をオープンした。
教習機関の登録、変更に必要な書類手続きに苦労したといい、構想からオープンまで約2年がかかった。今後は、玉掛け作業の技能講習を追加し、それぞれの技能講習で外国人向けコースを開設していく。「あそこに行けば建設に必要な主な資格は全部取れる」と言われるような教習機関を目指す。
また、技能講習の講師は現在、日本人の社員が務めているが、外国人材が講師やサポートを務めるような展開も思案する。三輪社長は「実技指導の言語を母国語とすることで、細かいニュアンスも伝えることができ、重機災害の防止にも役立つ。万が一病気やけがにより現場で働くことが難しくなった場合、またセカンドキャリアの場として、この教習機関を彼らが活躍できる場にしていきたい」と語る。
(提供:褐囃ハ新聞社)