トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

秋田建設工業新聞社
2026/05/13

【秋田】緑屋ビルとゼンオンビルを正式に取得/都市計画変更経て京阪電鉄不動産に売却へ/秋田駅前みどりや再開発事業(株)

 JR秋田駅前の市街地再開発事業を実現させようと、秋田市内の複数企業が出資し設立したSPC「秋田駅前みどりや再開発事業株式会社」が、最後の未整備地区の一つに立地する「緑屋ビル」及び「ゼンオンビル」の土地・建物を取得し、所有権が正式に移転した。今後、秋田市による都市計画変更などを経て、再開発事業施行予定者である大阪市の京阪電鉄不動産株式会社に売却する予定。

 計画地は、JR秋田駅の西口前にある緑屋ビル及びゼンオンビルの敷地で、「秋田駅前第一種市街地再開発事業」(昭和49年都市計画決定)のエリアにおいて唯一の未着手地区となっている「北第二地区」。中心市街地の中でも地価が高い街区でありながらビルの老朽化が著しく、防災リスクや周辺地域との景観調和が課題となっている。

 なお、同地区を巡っては、過去に再開発の実現に向け、関係権利者との協議や事業スキームの調整が段階的に進められてきた経緯があるが、事業化には至らなかった。今回、地域企業が出資するSPC(特別目的会社)「秋田駅前みどりや再開発事業株式会社」が土地・建物をいったん取得する形をとることで、地元主体による合意形成や事業環境の整理を図りながら、再開発事業施行予定者である京阪電鉄不動産と連携し、円滑な事業推進につなげる。

 SPCは令和7年8月に設立。加藤建設株式会社(加藤恵代表取締役社長)、株式会社シブヤ建設工業(渋谷守寿代表取締役)を共同代表とするSPCとして、不動産の取得、管理、売買及び再開発事業を推進する。

 会社設立以降、再開発事業施行予定者である京阪電鉄不動産と一体となり、地権者への説明や同意取り付け、既存テナントとの調整、都市計画変更に向けた秋田市との協議・調整を進めてきた。また、京阪電鉄不動産は地権者の3分の2以上の同意を得たうえで、2月13日に秋田市へ都市計画提案書を提出。3月6日の秋田市議会建設委員会でもその内容が説明された。市は3月23日付で「計画提案に係る都市計画の素案の内容の全部を実現する必要がある」と判断したことを通知。その理由として、「都市計画基準に適合し、適切な土地利用を誘導しようとしており、合理的な土地利用だと判断できる」「秋田市の計画等に則した提案内容である」「計画提案による周辺環境等への影響に配慮されている」「周辺住民等との調整が整い、おおむね賛同が得られている」という点をあげている。

 秋田市の沼谷純市長も事業について支援する強い姿勢を示し、経済団体の会合などでも「駅前再開発事業を強力に進める」などと発言。解体や建築に関して、国に補助制度の活用を働きかける姿勢も示している。

 今月15日には都市計画変更の住民説明会が開催される。県との事前協議を経て、都市計画案の縦覧を開始する予定。秋田市都市計画審議会、その後の県協議を経て、9月には都市計画決定が告示される予定。都市計画決定後、土地・建物は京阪電鉄不動産に売却され、同社が再開発事業施行者として新たな建築計画を進める。

 秋田駅前地区第一種市街地再開発事業は当初の都市計画決定後、昭和55年にイトーヨーカドー、同59年に本金西武、秋田ビューホテルが開業。平成元年には、南側の北第一地区(駅前駐車場敷地)が個人施行の施行認可を得たが、再開発ビルの建設には至っていない。

 近年、JR秋田駅前周辺では、公費の投入によるエリアなかいち、あきた芸術劇場ミルハスの建設、旧県立美術館のリニューアルによる秋田市文化創造館の整備、秋田駅西口広場(芝生広場)の整備、佐竹史料館のリニューアル、千秋公園大手門の堀遊歩道の整備などが行われた。民間投資でもJR秋田駅のリニューアル、旧ホテルハワイ跡地や旧金萬ボウリング跡地へのマンションや、金萬駐車場解体跡地へのホテルなど建設が相次ぎ、秋田駅の目の前では西口バスターミナルのリニューアル、旧秋田フォーラスのリニューアルによる秋田OPAのオープン、ホテルメトロポリタン秋田のリニューアルなどが次々と行われた。

 秋田駅前の昭和時代を支えた緑屋ビルの跡地の再開発が順調に進み、新たな駅前の顔として生まれ変われば、秋田の玄関口として景観や都市機能の向上、居住人口の増加などが期待され、来街者の増加による中心市街地のさらなる活性化が図られる。

提供:秋田建設工業新聞社