県は2025年1月に発生した八潮市内における道路陥没の復旧に対して「対応整理表」を取りまとめた。北田健夫県下水道事業管理者は「県としては、整理した内容をどうやって伝えていくかが課題。また、内容をより充実していくと同時に、どう活用していくか考えていく必要がある」との考えを示した。今後は「対応整理表」を踏まえ、下水道管路の各箇所におけるさまざまなリスク要因や懸念すべき事態に対処していきたいとしている。
「対応整理表」は12日に東京都千代田区の都道府県会館で行われた、第5回復旧工法検討委員会(委員長=森田弘昭・日本大学教授)で示されたもの。「対応整理表」は同委員会における最終報告的な位置付けとなる。
整理表は「新設管」「新旧境界部」「複線化区間」「中川流域下水道全体」といった各範囲でまとめている。復旧工事や複線化計画の検討において、留意すべきリスク要因や懸念すべき事態と、それらに対する計画、設計、施工、維持管理など各段階における対応を整理している。
具体的事例として、「これまでマンホールの区間が長く点検調査が難しかったことを踏まえ、複線化時にはモニタリングができるように短い間隔でマンホールを設ける」などを計画段階から整理していくことなどを挙げている。
委員会では復旧工事の進捗状況や仮排水管の撤去、八潮市雨水管の本復旧など今後の対応についても報告された。
会冒頭、北田県下水道事業管理者は「破損した管の復旧が完了し、暫定2車線の県道供用開始になるなど、現場は着実に進んでいる。一方で今後の複線化計画についても、委員の意見、助言を踏まえて検討を進めているところ」と話すと「県道が供用されたことから、本日で委員会を一区切りとさせていただきたい」とあいさつした。森田委員長は「今回の事故でさまざまな教訓が得られた。埼玉県あるいは全国の下水道管理者の方々の教訓になっていけば」と述べると「本日の議論が、これからの埼玉県の下水道行政に役立てば」と期待を込めた。
これまでの説明によると、破損した下水道管の復旧については、県として復旧工法の方針を決定。新管敷設(鋼製セグメント+管更生)が完了。その後、汚水を仮排水管から新管へ切り替えている。また、下水の迂回が不要となったことから、仮排水管の撤去を25年度末ごろから26年度にかけて実施。雨水管の本復旧については、仮排水管の撤去の進捗に合わせて、26年度に工事を実施することとしている。
委員会ではこのほか、4月15日に県道を暫定2車線で供用開始したことや、チュウ4マンホールの復旧工事を進めていることなどを説明した。
中央幹線下流部の複線化については、引き続きルートおよび工法の選定や、維持管理を考慮した人孔の配置などを検討していることを報告した。現在は、設計を進めている段階で、当初計画で示している9月以降の工事着手となりそうだ。
委員会は25年2月に第1回を開いてから、抜本的対策の検討や現場視察などを行ってきた。今回の第5回を一区切りとし、今後は「対応整理表」の充実などで意見を個別に求めるほか、方針に従って適時、適切な工事を進めていくこととしている。
提供:埼玉建設新聞