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北海道建設新聞社
2026/05/20

人材育成で外部委託/道立高等技専苫小牧校で短期間技術指導第1号

 職業訓練施設の道立高等技術専門学院(MONOテク)は、中小企業の新入社員らを短期間だけ受け入れて訓練生と一緒に基礎から技術指導する取り組みを2026年度から始めた。現場の人手不足で人材を育てる余裕がない中小企業を支援するとともに入校者の減少が続くMONOテクの活性化を図る。第1号として苫小牧校で1人を受け入れ、4月から3カ月半の「新入社員研修」を実施している。
 MONOテクは、道内8校(札幌、函館、旭川、北見、室蘭、苫小牧、帯広、釧路)に建築技術科や電気工学科といったコース(1年制、2年制)を設置。高校の新卒者ら4月に入学した訓練生に対し、指導員がカリキュラムに沿って指導している。その授業に中小企業の新入社員が参加し、訓練生と一緒に学んでもらう。必要な講義と実技を選んで受講でき、訓練期間も数日間から数カ月間とオーダーメード対応が特色だ。訓練期間分の授業料や諸経費を中小企業が負担する。
 8校のうち先行して受け入れ体制を整備した苫小牧校は、機械加工を手掛ける吉田機械(本社・札幌)が中途採用した男性社員1人を受け入れた。札幌から通学してもらい4月中旬から7月末まで金属加工科と精密機械科の講義と実技を410時間にわたり、他の訓練生と一緒に安全確保の基本からアーク溶接の技術習得までを学ぶ。
 同社は1963年創業で社員は10人ほど。吉田了司社長(55)は「中堅、ベテランの社員が手間暇をかけて教える余裕がない。人材教育をアウトソーシング(外部委託)できるのでありがたい」と話す。新入社員の佐藤晃一さん(44)は「基礎を一から教えてもらえている。よく学び会社に戻ったら人並みに働けたら」と張り切る。訓練管理課の日達和則課長は「MONOテクに新入社員を預けて人材を育てる選択肢を知ってもらいたい」とアピールする。
 道経済部労働政策局産業人材課によると、MONOテク8校の入校定員充足率は、リーマンショック後の2009年度の96%をピークに減少が続き、26年度は定員455人に対する入校者が208人と半数を割っている状況だ。道は地域経済を支える人材育成機関としての役割を果たすため、26年度から5年間の運営方針を定め、その一環で中小企業の人材育成の強化に乗り出した。
 黒田尚子職業訓練担当課長は「道立の職業訓練施設という社会インフラをぜひ活用してもらいたい。地域産業を支えることでMONOテクの存在価値が高まる」と力を込める。苫小牧校以外でも受け入れ体制を整え、地域の中小企業からの要望に応える構えだ。