静岡県は、整備計画を見直している新県立中央図書館の基本構想を改定するための有識者会議(会長・朝比奈一郎青山社中筆頭代表CEO、福井県立大学客員教授)を発足させ、初会合を5月21日に県庁で開いた。
塚本秀綱副知事は「限られた財源でも多くの県民に必要とされ、利用される持続可能な形で、将来にわたって価値を生み出し続ける新しい図書館に向けて検討したい」と会議の方向性に言及。
県教育委員会の前澤綾子教育長は「今回の見直しを、県立図書館が単に本を集めて貸し出すだけの場所ではなく、時代に即した新たな価値を創出し、機能を高めていくための重要な議論の機会ととらえている」と述べた。
県は2025年度、財源不足などで図書館の整備を中断した。25年12月に「整備見直しの方向性」をまとめており、これを踏まえて基本構想を改定し、事業を再始動する。
初回では、図書館を取り巻く課題や、目指す姿などを整理。2回目に基本構想改定骨子案や新図書館のコンセプトなどを議題とし、市町との連携や蔵書方針の見直しも議論する。第3回で基本構想改定素案を提示し、東静岡地区の特性を生かした交流機能についても話し合った上でパブリックコメントを行い、9月の第4回に改定案としてまとめる。
基本構想改定への検討方針は、人口減少やデジタル化、物価高騰など社会情勢の大きな変化を踏まえること、市町立図書館との役割分担、先端技術の導入など経済性や機能性を重視すること、東静岡地区のまちづくり、県総合計画(ウェルビーイング)など関連計画との整合を狙うことなど。
図書館の建設地について、県有地全体(2・43f)で最適な配置を検討する。
延べ床面積は現計画の1万9800平方bから縮小する。収蔵能力は200万冊から150万冊程度を上限に減らす。
整備手法は県が直営する計画だったが、民間活力の導入を軸に最適な手法を検討する。開館は令和10年代中頃〜後半を目指す。
静岡市駿河区谷田にある現図書館(鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ8816平方b、蔵書数97万5103冊)は、1969年3月の建設から57年が経過。来館者数は全国の県立図書館の平均32万4000人に対し、15万6000人と少ない。来館者の約6割を静岡市在住者が占め、市外からの来館者は限定的で、県は「県民の需要に応えたハード・ソフト両面の改善が必要」とした。
(提供:褐囃ハ新聞社)