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秋田建設工業新聞社
2026/06/02

【秋田】能代市の水素ラボ構想実現に向け協議会設立へ/再エネで小水力発電の導入も

 能代市総合政策課は、能代ロケット実験場内で発生するボイルオフガスを回収・再利用し、水素関連ベンチャー企業などに提供することで人口創出に繋げる「水素ラボ構想」の実現に向け、6月補正予算案に事業費2,768万円を計上した。プロジェクトチーム(市、JAXA、秋田大学、早稲田大学)をコアメンバーとした協議会の設立準備費などに充てる。常盤地域などを対象に小水力発電導入調査にも着手するため、委託費2,000万円を計上している。

 水素ラボ構想では、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の能代ロケット実験場内にある液体水素貯蔵タンクから発生するボイルオフガスを回収・再利用する。7年度は高圧水素設備の仕様や設置場所の概要をまとめるため、基本設計にあたる業務を一般財団法人エネルギー総合工学研究所に委託。実施設計については年度内の委託に向け、JAXAを含めた関係者との調整を進めている。測量、用地、設備など様々な業務・工事があるため、設計の参加要件はJVを想定している。

 高圧水素設備の設置によるボイルオフガスの再利用を「構想1」としており、構想1の実現により大手企業だけではなくベンチャーや中小企業も参画できるよう、実験場内への水素関連の開発・実証を行うラボの建設を「構想2」としている。構想2まで進めるため、協議会には専門知識を有する大学や水素に関連する企業なども参画。高圧水素設備の運用方法やラボの利用に向け、技術面も含めた意見を交換しながら構想の実現を目指す。

 小水力発電については、次世代エネルギービジョンを策定した際に再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマスなど)の導入ポテンシャルを調査。自立可能な地産地消型エネルギーとして有効ではあるものの、生活空間に近い農業用水路への導入は見込めず、適地が山間部の河川になることから導入を見送り、ポテンシャルの高い風力発電を優先してきた。

 近年、世界情勢の変化により小水力発電は安定的かつ地域へのエネルギー還元が可能とされていることから、導入を前向きに捉える方針に変更。前回の調査で適地とされた常盤地域、二ツ井町の田代地域の2カ所を中心に導入調査を行う。導入の可能性がより高いのは常盤地域で、常盤川の上流部で同河川や支川から取水し、落差を利用して発電するのが有効と見られている。

提供:秋田建設工業新聞社