京都市は、団地再生計画に基づき、住棟建替え(更新棟建設)を進める左京区田中の市営住宅養正団地について、第2期事業として既存13棟を解体し、跡地に更新棟3のY3棟(仮称)を建設する。
養正住宅は、令和2年度に団地再生計画を策定。建替え対象としている10棟のうち6棟の除却を終え、更新2棟の整備が完了している。
左京区田中馬場町25ほかの敷地5672・69u(第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)、15m第2種高度地区)に建つ既存13棟を解体する工事を進めている。
養正市営住宅13棟解体撤去工事の請負契約案は2月市会に提出し、3月24日に可決した。工事概要は@既存建物等解体撤去工事(SRC造10階建、1棟、延約1万4894u)Aその他敷地内施設等解体撤去工事一式B敷地内舗装等解体撤去工事一式C敷地内地中埋設物、埋設管解体撤去工事一式。請負金額は5億6100万円。請負相手方はナガタ−サイセイ特定建設工事JV(ナガタ工業(京都市山科区)、サイセイ建設(京都市山科区)で構成)。竣工期限は着工命令の日から590日以内。
解体跡地に建設する更新棟のY3棟は、RC造5階建、延6479・02u(建築面積2048・46u)。建築物の高さは16・85m。戸数は106戸。内訳は2K14戸、2DK62戸、3DK27戸、車椅子住宅3戸を予定。
このほか、昇降機設備は9人乗り・交流インバータ方式(VVVF)・トランク付き・車椅子仕様、省エネ基準はZEH−M Orientedを想定。集会所・管理事務所を各1ヵ所、ゴミ置き場を1ヵ所整備。駐車場は入居者用41台(うち車椅子使用者用3台)、来客用1台、サービス用1台、駐輪場は自転車置場140台、バイク置場18台を確保する。
令和10年1月中旬に着工、12年1月末に完成予定。
市は、公募型簡易プロポーザル方式の「京都市養正市営住宅整備工事設計業務委託ただし、Y3棟新築その他工事設計業務委託」について、三宅建築事務所(京都市左京区)を選定。業務概要は、@京都市養正市営住宅新築工事ただし、Y3棟新築工事に係る基本設計及び実施設計A京都市養正市営住宅13棟解体撤去工事に係る実施設計。
技術提案書の概要によると「設計コンセプトは〈〜風がそよぎ、花香る『円居』が生まれる三つの広場で心豊かな生活の実現〜〉」「コの字型の住棟構成で、各住棟に囲まれた中心に円居広場を設ける。円居広場には樹木を植え、住棟に囲まれた外構の床仕上げを保水性舗装とすることで風を呼び込み、通風を促すとともに、日除けパーゴラ屋根を設置し酷暑対策も考慮する」「住民で野菜や草花を育てることができる育み広場を設ける。敷地外周には、地域の自然植生を考慮した緑地帯(グリーンベルト)を形成。また既存樹木を積極的に存置することを考える」「出町柳駅へのアプローチに最も近いエントランスに憩いの広場を設ける」「ZEH−M Orientedに加え、パッシブデザインの導入、京都市公共建築物脱炭素仕様に基づいた工夫」「外構では、植栽に加え、保水性舗装材や真砂土舗装材等の保水性のある舗装材を採用」「団地内に呼び込んだ涼風が、玄関ドアの通風スリットから間仕切壁の通気欄間を介して、常開可能な自然換気ストッパー付建具を通り抜け、室内の排熱を促す。同時に高断熱性能の樹脂サッシや高断熱玄関ドアによる熱を取り込みにくい仕様も検討」「遮熱性能塗料を屋根や外壁に用いることで、躯体への蓄熱を抑え、室温上昇を軽減。特に西側にバルコニーがある棟は、遮熱Low−E膜複層ガラスに加えて、二重障子窓にするなど、西日対策も検討」「外皮性能の向上と一部外断熱の検討」「改修しやすい住戸仕様で加速する高省エネ社会に備える(床下地工法の再検討等)」など。