北本市は市内で初の試みとして、市有地の売却にマイナス入札を導入した。対象地は宮内1丁目地内にある旧勤労福祉センター解体跡地で、敷地面積が3457・21。入札参加申込は26日〜7月2日まで受け付ける見通しだ。年度末までには解体を終え、跡地を解体事業者にそのまま売却する流れを見込む。県内でマイナス入札を取り入れた事例は少なく、北本市は今回、深谷市の取り組みに続いた形となる。
マイナス入札では、敷地内の現況施設解体撤去を条件として跡地の売却に関する入札を行う。入札参加者は土地評価額、解体に必要な諸費用をそれぞれ算出。土地評価額から解体費などの諸費用を差し引いた額を入札額とする。
仮に解体費より土地評価額が高く、入札額がプラスとなる場合は、事業者は入札額を市に支払うことで建物解体撤去条件付き土地売買が成立することになる。
もし解体費が土地評価額を上回り、入札額がマイナスとなった際は、そのマイナス分を市側が負担。事業者は建物解体撤去条件付きで土地の無償譲渡を受ける流れ。
最低売払価格はマイナス3億2991万3344円に設定する。この額を入札額が下回る場合は落札できない。
旧勤労福祉センターの施設規模はRC造3階建て、延べ床面積2198・33u。1979年に竣工した。
現況施設の解体が終われば事業者側は自由に跡地を利活用できる。工事だけでなく、その後の跡地利活用まで見据えた事業者が参画する形となりそうだ。
旧勤労福祉センターは住宅地の中に位置し、敷地も第一種低層住居専用地域。市の玄関であるJR北本駅東口から約1q圏内にあることなどを理由に、市の担当者は「跡地の需要も高いとみている」との見解を示す。
マイナス入札を導入すれば市・事業者の双方に利点がある。解体に当たり設計と工事を一括するため、市側からすると事業工程の短縮を図れ、年度ごとの費用負担を平均化するなどの効果が見込まれる。事業者にとっても、施工内容自体は通常の解体工事と変わらないものの、必要な書類は大きく簡素化される。結果として事業費削減にも効果が期待できそうだ。
北本市は先行してマイナス入札を活発に取り入れる深谷市の事例を参考にして今回、同方式の導入に踏み切った。
マイナス入札を導入する条件としては、現況施設の解体が必要だが、解体後に市による跡地利用の計画がなかった点にある、と担当課は話す。
旧勤労福祉センターは新たに整備した複合施設内に機能移転しており、施設を解体する必要が生じた。ただし、同じ理由で廃止・解体する健康増進センターと異なり、解体後の跡地利用方針が未定だった。
担当者は今後のマイナス入札導入について「直近で予定はないが、同じ条件の話があればその都度導入を検討する」と話した。
提供:埼玉建設新聞