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滋賀産業新聞
2026/06/16

【滋賀】守山市 ほたるの森資料館の建替

 守山市は、老朽化等に伴い建て替えを計画する「ほたるの森資料館」整備設計業務に係る公募型プロポーザルで、優秀者(契約予定者)に決定した岩瀬諒子設計事務所(東京都千代田区)の技術提案書と審査委員会の講評を12日公表した。同業務で2026年度(令和8年度)に基本・実施設計を行う。工事施工は27〜28年度(令和9〜10年度)を想定している。
 設計プロポーザル優秀者(契約予定者)の技術提案書をみると、施設構成は▽飼育室=60平方b▽展示室=50平方b▽学習室=40平方b▽多目的スペース=25平方b▽オープン事務室=25平方b▽更衣室=8平方b▽倉庫=4平方b―など。構造は寿命に優れているRC造を採用し、部分的にS造を取り入れることで、梁のない自由な大空間を経済的に作る。また低アルカリコンクリートの採用や表面仕上げを徹底し、アルカリ溶出を抑制する環境配慮型。内装の床は清掃性と耐久性に強い土間コンクリートとし、壁は展示の自由度とメンテナンスしやすい塗装+PB(石膏ボード)+合板。天井は打ち込み型枠とする。
 審査講評によると、野外ステージの丘と園路そのものを施設化し、分断されている既存野外ステージと、ほたるの森をつなぐことで、敷地全体の賑わいや活動を促す提案。基本計画の内容を深く理解し、配置を検討するプロセスの中で諸条件を丁寧に検証され、敷地全体を一体的に捉えている点、来訪者の入りやすさ、公園からの動線、管理・バックヤードの使い勝手も考慮されており、子ども連れが訪れたくなる開放感や利用者目線から、シンプルに楽しそう、訪れてみたいと思わせてくれる点が高く評価された。
 また、丘の一部を切り開き見通しをよくすることで広い活動エリアを確保し、ファサードを自然に溶け込ませつつ緑化した屋上や丘側に突き出たボリュームは、円形広場側にも変化を与え、広場のさらなる活用について期待ができる。ほたる河川の木道について、改修以後のメンテナンス時においての土壌負荷抑制に関する提案や、ホタルやカワニナ(ゲンジボタルの幼虫の餌となる巻き貝)に係るワークショップについての年間を通した具体的な提案を行うなど、既存の生態系や環境意識への細やかな配慮もなされていた。
 全体として、建築とランドスケープの関係性の構築が最も表現できており、案の実現性が高く、様々な観点で行き届き、合理的ですぐれた提案であったため、新たなほたるの森資料館にふさわしい最適な設計者と評価された。 建て替え計画では、市民運動公園内の現資料館、野外ステージ、人工河川(ホタル生息)を含む敷地6281・71平方bに、平屋建、延240平方b程度の展示施設(資料館)を建設する。工事発注は、2027年度(令和9年度)に新施設建設(敷地内増築)、28年度(令和10年度)に既設建物解体工事、外構整備工事(木道改修工事を含む)を想定。新築工事、解体工事、外構整備工事は発注時期が異なり、建築工事、電気設備工事、機械設備工事については分離発注を予定する。
 現在の守山市ほたるの森資料館は、守山市民運動公園(同市三宅町)内に1990年(平成2年)4月開館。木造平屋建、延92平方bの既存建物は整備後から36年を経過しており、今後もホタルの飼育・研究をはじめ、ホタルを中心とする昆虫等の小動物に関する資料の展示・閲覧や環境イベント等の開催を行い、全ての市民が自然環境に対する知識を深め、自然保護に対する意識を高める施設として寄与するために、公園利用者も含めてホタルに関して学べる環境教育の拠点として整備することを目指す。
 なお、基本計画策定支援業務(25年度〔令和7年度〕)は、織田建築設計室(栗東市)。

提供:滋賀産業新聞