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福島建設工業新聞社
2026/07/02

【福島】県沖に69ギガワット潜在/洋上風力可能性調査で県

 県は、2025年度に行った県沖の洋上風力ポテンシャル調査の結果をまとめた。自然・社会条件を踏まえた導入ポテンシャルは基礎構造別に着床式約2ギガワット、浮体式約67ギガワットを試算し、それぞれ有望海域を特定。県内企業の洋上風力市場への参入支援施策を展開した場合、着床式(500メガワット想定)で約430億円、浮体式(1ギガワット想定)で約920億円の経済波及効果が見込まれ、地域産業の拡大につながる可能性も示唆された(洋上風力事業の検討には別途、漁業等関係者との協議・調整が必要)。
 排他的経済水域(EEZ)を含む県沖の洋上風力ポテンシャルと、地域や漁業との共生、関連産業の基盤創出の可能性等を調査した。24年度の前回調査から、より有望な海域を絞り込んだほか、漁業・水産業等を含めた具体的な地域振興策(案)などを示した。
 調査対象海域は宮城、茨城県との境界線と水深2000mより浅い範囲内。海区は27海区に細分化し、より事業実現性の高い海域として着床式が水深20〜50mの海区T〜U、浮体式が水深500〜700mの海区T〜Vを抽出した。
 経済波及効果については調査・設計、製造、組立・設置、O&M(運転管理・保守点検)、撤去の分野ごとに、それぞれ現状シナリオ(参入支援策を講じない)と県内企業参入支援強化シナリオの2パターンで分析した。現状シナリオに対し、参入支援強化シナリオは着床式約430億円、浮体式約920億円と2倍近く伸び、参入支援の有効性と地域経済活性化の可能性が示された。
 工事関連の組立・設置分野とO&M分野は現状シナリオでも経済波及効果が高い傾向を確認。製造分野とO&M分野では参入支援による効果が大きく、ともに、浮体式の場合で約2.5倍の経済波及効果が予測された。
 県は参入支援の施策として、市場動向や案件の見通し、参入機会に関する継続的な情報発信を想定。発注企業との意見交換会、市場創出に向けたロードマップと施策方針の提示、参入費用支援なども検討している。
 洋上風力を通じた県の水産業、農業、観光業等の振興策には、発電機の支持構造物や基礎部を活用した海中データ取得(海水温や流向・流速データ等)、漁礁・藻場の造成のほか、洋上風力を新たなランドマークとした観光ルート整備、グリーンツーリズム構築などを挙げた。
 調査業務は24年度に引き続き三菱総合研究所が担当した。
(提供:福島建設工業新聞社)