北海道建設新聞社
2026/07/06
【北海道】鉄鋼商社の小野建が本道に拠点/川井晶次北海道営業所長に聞く
鉄鋼商社の小野建(本社・北九州市)は5月、これまで大阪支店が担っていた道内営業を強化するため、札幌市内に北海道営業所を開設した。きめ細やかな対応や商品の供給体制を強める。大型案件がめじろ押しの北の大地で、どのような戦略を描くのか初代所長の川井晶次氏に、道内市場の現状と今後の展望を聞いた。
−北海道営業所開設の狙いは。
これまでは大阪支店から週1便のシャーシ便を出し数カ月に一度の出張で対応していた。しかし、輸送コストや未開拓の商機を考慮し、拠点が必要だという結論に至った。当社にとって念願だった営業所の開設で、強い思いを持って準備を進めてきた。
−小野建の強みは。
特定のメーカーに縛られないのが特徴。独自の供給ルートを構築していて、大阪支店だけでなく、仙台支店や八戸営業所からも道内向けに商品を供給している。営業所の開設により、さらに迅速できめ細かい対応が可能となった。
JR札幌駅前の再開発や北海道新幹線の延伸、千歳市へのラピダス進出など話題は豊富だが、中小規模案件が以前より減っている印象がある。ただ、他県と比べれば大型クレーンが至る所で稼働している。活気があるのは間違いない。
−特に注力する商品は。
まずは敷鉄板の販売を伸ばしていく。苫小牧に在庫を確保し、地元の建機リース業者などへの提案を強める。北海道は本州と異なり定尺販売が主流で、地元の鉄工所が自社で加工する文化が根強い。地域の商習慣を理解しながら、地元に根付いた営業を地道に続け、少しずつ認知度を高めたい。
−現在の課題と今後の展望を。
資材高騰と人手不足が喫緊の課題。急激な値上げに加え、輸送コストも増え、価格転嫁が避けられない状況。人材の確保と育成にも時間がかかるため、省力化や効率化を進める。8月から地元採用の事務員を迎え、まずは2人体制で足元を固める。3年後には5人規模の組織に育てたい。
現在は景気の谷間にあるかもしれないが、北海道日本ハムファイターズの二軍球場移転やレバンガ北海道のアリーナ構想など大型案件が控えている。この時期だからこそ、しっかりと地元に根付くことが重要。焦ることなく、地元に信頼される拠点づくりを進め、鉄を通じた「クニづくり・マチづくり・モノづくり」に貢献したい。
川井 晶次(かわい・しょうじ)1972年7月22日生まれ、大阪府出身。95年3月に大阪商業大を卒業し、横浜鋼業に入社した。2008年3月に小野建の連結子会社となり、小野建の京都営業所や大阪支店での勤務を経て26年5月から現職。