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建設経済新聞社
2026/07/17

【京都】京都市が京町家条例の改正案 保全継承支援法人の指定など

 京都市は、毎日2軒のペースで京町家が滅失している状況を踏まえ、京町家の保全及び継承に関する条例(京町家条例)を改正する。
 条例改正は、あるべき将来像の実現に向けた政策のアップデートの位置付け。
 京町家を次世代に引き継いでいくため、従来の施策に加え、京町家を社会的に継承する仕組みの構築や、支援制度の新設・充実、都市計画や景観政策をはじめとした関連政策との連携、税の在り方の検討など、今後もあらゆる施策を総動員する必要があるとし、京町家条例について前文を含め改正する。
 主な内容としては、社会全体で京町家の保全・継承に取り組むことを目的に、第1章(総則)、第2章(京町家の保全及び継承に関する基本的施策)を改正。
 京町家の保全・継承に関わる主体に新たに「京町家を取得しようとする者」と「建築設計業者」を加えるほか、各主体の責務・役割の明確化を図る。
 京町家の保全・継承に対する所有者その他多様な主体の共通理解を深めることの必要性について、基本理念や各主体の貴務・役割等に明記。「京町家を取得しようとする者」の責務として取得前に京町家の保全・継承について十分に理解し、協力することを求める。建築設計業を営む者を事業者の定義に加えるとともに、事業者の貴務について、京町家に近接する場所で工事等を行う際に、京町家の維持管理に影響を及ぼさないように努めることを追加する。京町家の改修に携わる建設事業者や建築設計業者に対して、伝統的な意匠・構造に配慮した改修等に努めることを追加する。
 「京町家保全継承支援法人(仮称)の指定制度」を創設する。
 京町家の保全・継承に取り組んでいる民間団体等(非営利法人や財団法人、その他京町家の保全・継承につながる活動を行う会社等)で、一定の要件に該当する団体等を「京町家保全継承支援法人(仮称)」として指定し、支援法人の活動をバックアップする。
 さらに、京都市に解体届が提出された重要京町家について、京都市が当該京町家の所有者に対して個別具体的な保全・継承の提案等を行えるよう、支援法人に案件に応じた保全策の提案を求めることができる仕組みを構築し、京町家の保全・継承の実効性を高める。
 個別具体的な活用提案の仕組み案として、民間のノウハウをいかした具体的な保全提案等を行えるよう、必要な範囲で、解体届が提出された京町家の情報を支援法人に提供できるようにする。なお所有者の希望により支援法人と直接相談することも可能とする。制度の実効性を担保するため、所有者の同意を得ることなく、必要最小限の情報提供ができる仕組みを検討する。
 解体届出制度の実効性の向上として、違反者の氏名公表の対象を所有者にも拡大する。
 重要京町家の所有者が解体届出制度に違反して解体し、その行為が京町家の保全・継承に著しい支障が生じるおそれがある場合に、氏名公表することができる制度を新たに設ける。
 現行制度は、▽所有者=過料(5万円)▽解体工事業者=勧告、氏名公表。
 改正案は、▽所有者=過料(5万円)+氏名公表▽解体工事業者=勧告、氏名公表。
 所有者の氏名公表については、京町家の保全・継承に著しい支障が生じるおそれがある場合とし、違反を繰り返す、過去に支援制度を活用しているなど制度を明らかに知っているうえでの違反行為を想定している。 この他では、これまでの運用を踏まえた規定の見直しを行う。
 京町家の定義について、長屋の場合は住戸単位で取り扱うこととする。これにより、重要京町家の指定が住戸単位で可能となる。また長屋の場合は、住戸ごとに解体届が必要となる。
 条例改正案について、7月24日から8月24日にかけて市民意見募集を行う。その後、11月市会に条例改正案を提出する予定。