能登半島地震で甚大な被害を受けた輪島市の国道249号大川浜工区の本復旧現場で、無人の重機が自ら動いて土砂の投入作業を行う「自律施工」が27日、本格稼働する。作業員の人手不足が深刻化する中、重機の遠隔操作や自動運転など最新技術も活用し、安全を確保しながら、生産性の向上を図り、早期復旧につなげる。
石川県に代わって権限代行により復旧事業を進める北陸地方整備局能登復興事務所によると、これまで危険箇所などの現場で重機の遠隔操作やドローンによる無人化施工は導入されてきたが、自律施工は初めてという。
施工は大林組・宮地組地域維持型建設共同企業体(JV)が担当し、大林組が開発した「バックホウ自律運転システム」を導入。熟練オペレーターの作業データを分析、学習したAI(人工知能)を搭載した無人の油圧ショベルが土質改良機へ土砂を投入する。その後、油圧ショベルを遠隔操縦し、自動運転のダンプに土砂を積み込み、約1キロ離れた路体の盛り土現場へ運搬、自動運転のブルドーザーで敷きならしを行う。
さらに、大林組が構築した「建機フリートマネジメントシステム(FMS)」により、管理者が統合管理室からモニター越しに、複数台の建機の自動・自律運転を連携させ、安全で効率良く作業を進める。
能登復興事務所の田中義太郎計画課長は「能登半島の先端で進める災害復旧で最新技術を積極的に活用することが、地域の課題解決や生産性向上につながる。建設産業が地域の守り手として持続的に発展していくきっかけになることを期待したい」と話した。