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秋田建設工業新聞社
2026/08/10

【秋田】汚水管WPPP、今月めどに事業者公募/管更生の実施設計などが10年契約に

 秋田市上下水道局下水道整備課は、水分野の官民連携方式「ウォーターPPP」を汚水管路の維持管理に導入するため、早ければ今月中に事業者を公募する。これまで包括的民間委託により5年ごとに実施していた点検や管路調査、管路緊急修繕などが原則10年の長期契約になるほか、分割委託していた下水道管渠長寿命化(管更生)に関する実施設計も10年一括契約の中で行う。また、管路調査の段階で確認された小規模な補修にも対応する。

 当初予算では、10年分の事業費として下水道事業会計で45億7,288万円、農業集落排水事業会計で9,622万円の債務負担行為を設定。年度内に事業者と契約し、年明け1月以降に事業者を選定。本契約と引き継ぎ準備期間を経て、来年4月から原則10年間の事業をスタートさせる予定。

 公共下水道と農集排を合わせた同市の管渠総延長は1,807kmで、このうち189kmが50年、810kmが30年を経過(いずれも令和6年度末時点)。一方、職員の確保や技術継承が難しく、使用料収入の減少や価格高騰により下水道事業の運営自体が困難となっている。

 同市は公共下水道と農集排の施設維持管理で令和7年4月〜9年3月まで、第二期包括的民間委託を実施しているが、民間の力を生かした官民連携事業(PPP・PFI)のさらなる推進が必要としている。
 導入するウォーターPPPは、官側のマネジメント力と民間側の実務能力・ノウハウを適切な形で融合させ、維持管理の合理化及び高度化、継続的・安定的な維持管理を目指すもの。施設の所有権を公共が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する「コンセッション方式(レベル4)」と、レベル4に段階的に移行することを見据え長期契約で管理と更新を一体的にマネジメントする「管理・更新一体マネジメント方式(レベル3.5)」の総称。

 秋田市では管路の維持管理のみを対象とし、「レベル3.5」を採用する。レベル3.5は「原則10年の長期計画」「性能発注」「維持管理と更新の一体マネジメント」「プロフィットシェア(新技術や企業努力による費用縮減分の官民分配)」という4つの要件をすべて満たす民間委託。

 このうち維持管理と更新の一体マネジメントには、維持管理と更新を一体的に実施する「更新実施型」と、更新工事(改築の発注業務の委託)以外の業務を一括で受託者に委ねる「更新支援型」があり、秋田市は更新支援型を採用する方針。

 受託者が行う業務には、現行の第二期包括管理業務に含まれている◇点検(管路・マンホール等、排水樋管樋門)◇下水道本管調査 ◇下水道管路緊急調査 ◇管路等計画・緊急清掃 ◇下水道管路緊急修繕 ◇下水道敷地内草刈 ◇小破修繕 ◇住民対応・非常時対応(日中と夜間の通報初動)◇災害対応)◇水質調査 ◇管路台帳更新データ作成 ◇統括管理―に加え、下水道本管の計画的修繕、住民対応・非常時対応(事故対応、年20回想定)、ストックマネジメント計画の見直し、改築計画策定と合わせた緊急度判定T・U判定の実施設計も盛り込む。

 実施設計では、これまで年度ごとに細分化し委託していた下水道管路の長寿命化(管更生)の設計を一括して実施。受託者は調査、設計計画、各種計算、耐震設計、図面作成、数量計算)を行い、管更生に関する積算や工事発注は別途、秋田市が行う。

 早ければ今月中にウォーターPPPの事業者を公募。具体的な実施体制の例(JVの例)として、統括管理業務を行う構成員と、「維持管理業務」「住民対応業務」「工事」「災害対応」「問題解決」「計画策定業務」「詳細設計業務」「データ管理業務」を行う各構成員が共同企業体を組成。市の承諾を得れば、各業務の一部を再委託という形で協力企業に委託することも可能となる。

 なお、7月31日には県下水道マネジメント推進課が秋田湾・雄物川流域下水道の臨海処理区と関連7市町村(男鹿市、潟上市、三種町、五城目町、八郎潟町、井川町、大潟村)が所管する管路施設の維持管理にウォーターPPPを導入するため、秋田市と同じ更新支援型を一般競争(総合評価)で公告している。

提供/秋田建設工業新聞